第12話 死亡確定!!
「ヴァン〜、いますかぁ〜? 」
「こっちだよ!! 心なしか声が遠ざかっている気がするぞ!? 」
「ええ〜? そうですかぁ〜? 」
「なんでもっと声が遠ざかっていくんだ!? 」
む、バレたか。しょうがない。ヴァンのところに行くか‥‥‥。ハア‥‥‥、バレちゃったのか‥‥‥。
そういえば大声を出すぐらいの余裕が出来たってことは、あの犬っころたち、倒せたのかな?
じゃないと、鬼ごっこしている中こんな大声を出して、居場所がバレるリスクを背負うことになる。ヴァンはそれを考えられないお馬鹿さんではない、はず‥‥‥。
__いや、ありえるな。
「とりあえず早く来てくれぇー! 」
「やっぱりやめようかな‥‥‥。」
「なんか言ったかー? 」
「なんでもありませーん! 」
亜人をわざわざ助けに行くのって滅茶苦茶嫌だな‥‥‥。
でも、ヴァンがくれるというご褒美のためだ。しょうがない。
******
「ヴァン? ここですか? 」
「おー! ちびっ子! ここだ!! デモンを全部倒したみたいだな? 音があまりしない。」
「はい。大丈夫です。
「あの強さで大量のデモンを
なんとヴァンは木の上にいたようだ。
にしても、
「ヴァン。これは何があったのですが?」
私は自分の立つ地面の周りをみる。ヴァンを追っていたであろう犬っころがバタバタと倒れていたのだ。
一体どういうことなんだろうか?実はヴァンってものすごく強い‥‥‥?強すぎて強さが分からなかった?ヴァンが弱っちいっていうのはヴァンが私を騙すためのプラフ?はったり?
だとしたら、ヴァンを馬鹿にしていた私の方こそ愚かだ。
相手の力量を読み間違えるなど私も見る目がない。強くなったといつの間にか驕っていたのかもしれない。もっと相手を見る目を鍛え上げなければ、
「ああ、なんか勝手に倒れていった。」
「か、勝手に、ですか‥‥‥? 」
こ、これははったり‥‥、なのかな‥‥‥? 私を騙すための‥‥‥? は、ったり‥‥‥?
「ああ。よっと。」
ヴァンが木の上から降りてくると、一体の犬っころの顔面を持ち上げる。
「見てみろ。宝玉が割れていないだろ?」
「本当だ‥‥‥。」
「さっきまで命がけの鬼ごっこをしていて、体力の限界が来てだな‥‥‥、木の上で凌いでもう駄目かと思ったらいきなりデモン達がこうなった。それでちびっ子を呼んだわけんだが‥‥‥。」
「なるほど‥‥‥。」
な〜んだ。見る目が衰えたわけじゃないんだ。
「やっぱりヴァンは雑魚ですよね! 誤解して申し訳ありませんでした。」
「おう! って、あれ? ち、ちびっ子‥‥‥? そんなニッコリしながら言うことじゃねーぞ‥‥‥? 」
「あー、安心したっ! 」
「何に安心しているんだよ!! 」
「で、とりあえず犬っころたちに聖句を唱えてから証拠として尻尾を回収して、あの兵士さんに渡しましょう。聖句は使えますか? 」
「聖句、か。いや、俺は尻尾を回収していくからちびっ子が聖句でデモンをとっちめてくれ。」
「分かりました。」
そうして、近くにいるデモンに聖句を唱えた。
「〈邪なるものよ。神の__」
「ん?この音は‥‥‥。っ!?ちびっ子!!危ない!!」
「はい?」
そう言われて振り返ったときには遅かった。
「グアアアアアアアアアアアッ!!」
私が
咄嗟に剣で防ごうとすると、
「あ、やば‥‥‥。」
剣、さっき折っちゃった!! こんなんじゃ防げない!!
__死ぬ!!
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