第5話「デスゲーム」
クエレアの宣言と同時に俺たちはバラバラの方向に散らばった。
「いいか、相手は長年一緒にいる奴らだ。
俺達が束になっても、連携をとるとなれば明らかに相手の方に分がある」
「確かにそうだな。じゃあどうする?」
「お互い3人なんだし、1人が1人を相手にするプランで行こうと思う」
「分かった。なら、僕はあのかまいたちを相手にするよ。」
「じゃあ、消去法で俺はあの女の子かな」
「なんで?クエレアだって残ってるじゃん」
「あいつは明らかにお前しか眼中にない。
俺たちはあくまでオマケと考えてるさ」
「僕もそう思うよ。クエレアはターゲットを決めれば確実に狙いに行くだろう」
「お前らクエレアの事結構知ってるのな」
「知ってるっていうか、あいつとは友達だからな。レッタに関してはほぼ毎日あいつの住んでるブラッド邸に入り浸ってるしな」
「ほぼ、自分家みたいな感じだね」
「じゃあなんであいつは俺の命を狙ってくるんだよ。普通友達の友達を何も知らずに殺そうとするか?」
「あいつはするぞ。あいつが友達になるのは強いか性格が気に入ったかのどっちかだし、それを決めるのも毎回このゲームを通してだ」
「そうそう、最初は俺たちもこのゲームを無理やりやらされたんだよ」
「じゃあ、俺がどんだけ平和的に解決しようとしても無駄って訳か」
「そういうこと」
「まぁ、お前はさっきの実力からして大丈夫だと思うけどさ」
「だとしても、この世界に来て2日目でクエレアが相手なんて運が悪いよね」
「それは同感だ」
「そんな強い奴とまだ戦いに慣れてない俺が戦うとか勝てる気しないんだけど」
「最悪1時間耐えればこの場は収まるから、隠れるのもありだぞ。まぁ、あいつは相手の生命力を感知する事ができるから無駄だろうけどな」
「しかもあいつの能力は吸血鬼の本来の力を高める事ができる能力だからな。そもそも高スペックな奴が持っていい能力じゃねぇんだよな」
「は?何その明らかに強そうな能力!」
「あいつ自体この超世界では50番目ぐらいには強いし、能力がフルで使えれば5本指に入れるぐらい強くなると思う」
「もうこの際何言われても驚かないわ。こうなったらヤケクソだ。残り時間50分を俺は本気で生き抜いてやる」
「そっか、頑張れ!僕は話してる間に見つかっちゃったから今から戦闘になるよ」
「ありゃりゃ、それは残念だな。お前死ぬんじゃねぇの?」
「うん、まぁ。言ってしまえば僕は居候のくせに毎日遊びに出歩いて、タダ飯貰ってる奴だからね。クエレアは気前よく良いって言ってくれてるけど、流石に料理長は怒ってるだろうね。という訳でじゃあね」
「よく分かってるじゃないですか。私は何故居候の貴方にタダ飯を毎日作ってあげてるんでしょうね?」
「まぁまぁ、そんなに怒らないでよ。僕は僕なりに住処に他の奴らが来ないように門番代わりをしてるんだからさ」
「門番?門番ねぇー、なら聞くけど門番が門の前にいないのはおかしくないかしら?」
「ハハッ、そこはご愛嬌って事で」
「は?ふざけてんじゃねえぞクソニートが」
「うわー、この人マジだ。笑顔だけど目が笑ってないし、言葉が死んでる」
「と り あ え ず、私の怒りを受けてもらいますからね!」
「クソっ!タダ飯のためだ!やるしかねぇ」
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