第3話「超世界での実力」

俺がこの世界に来てから1日経った。

超世界でも朝昼晩の概念はあるらしい。

「よう、よく眠れたか?」

「あぁ、このベッドは寝心地がとても良かったよ。それより、いい匂いだな」

「あぁ、朝飯できてるぜ」

小野江は家のない俺のために自分の家に居候いそうろうさせてくれている。晩飯も作ってくれて、ベッドまで使わせてくれたのだ。

本当に感謝しかない。

「朝飯はガリューの卵で作った目玉焼きと、マダランガ焼きだぞ。」

ここの食材はまだ何か分からないが、メジャーな食べ物としてあるみたいだし、小野江も人間だから同じ人間の俺が食べても大丈夫だろうと信じて俺は朝飯を食べる。目玉焼きは人間界の卵焼きより黄身がトロッとしていて口の中で黄身がとろける絶品だ。こっちの肉も鶏肉よりサッパリしてるのにまるで牛肉のような味わいで、人間界なら値段は五桁でもおかしくないぐらいだ。

「今日は飯を食べたら俺と少し来てもらう」

「何かするのか?」

「お前の力を見せて欲しいんだよ」

「力?」

「超世界に入ると人間界では使えない本来の力が使えるんだよ。簡単に言えば超世界だと自分の本当の力を使えるんだ」

「なるほど、それで俺の本当の力を見たいわけだな」

「そういうことだ。最低限自分の身は自分で守れなきゃ、超世界では直ぐに死んでしまうからな。お前の本来の力を見せてくれ」

「見せるも何も俺自身がどれだけの力を持ってるのか分からないからな。俺からしても実力が分かるのなら丁度いいや」

「よし、なら俺がとっておきの相手を選んであるからな。死ぬ心配もないし、まさに適任を選んでいるぜ」

「お前の知り合いって訳だな。俺はてっきりお前と戦うのかと思ってたよ」

「俺と戦うなんて無理無理、俺は非力だし、超世界にいても俺は能力がいいから実戦の方はダメダメなんだよ」

「能力と実戦の実力は何か関係が?」

「いや、別にないぜ。単純に俺がそういう風に捉えてるだけなんだ」

「そうなのか、まぁ本人が非力だと自覚してるなら信じるけどな。そうでも無いと態々別の奴を用意する理由もないしな」

「あぁ、別に本気でやらなくていいし、朝飯食ったあとの軽い運動とでも思ってくれ」

「分かった」

そうして、話をしながら朝飯を食べ終えた俺は小野江について行って、相手がいる場所に向かうのだった。


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