第2話「超世界の主」
「お前が一番困惑していると思うが、今回のお前が超世界に来たことは俺からしても異例の自体なんだよ」
(本来なら最初にこの超世界に来たやつで、自分から来たやつでは無ければあいつの能力で来てる訳だからあいつの元に行くはずなんだ。それが無いということは、あいつの能力でもなく、自分から来た訳でもないのだから他にあいつと同じ系統の能力者がいるって事だろうな)
「今から行く、その超世界の主って人はどんな人なんだ?」
「あいつは人じゃねぇよ。そして、俺にもその正体は分からねえ。だが、この世界のことを一番考えてるし、一番愛してるやつだよ」
「まぁ、主と言うぐらいだし、この世界を愛しているのは当然なんだろうね」
「そうそう、当然なのよ。貴方分かってるわね。ようこそ超世界へ、新しい住民さん」
「はい、よろしくお願いします、、、って! 貴方誰ですか!一体何処から、、、」
俺の横には、さっきまでいなかった女の人が急に現れて喋りかけて来ている。長い紫色の髪に、綺麗な黒目をしている胸の大きい大人の女性だ。
「気になる?私の胸」
「い、いやあの、すいません!」
「構わないわ。私Jもあるの、触ってみる?」
「いえ!そんな!触りませんよ!」
「ふふっ、冗談よ。貴方面白い子ね」
Jカップもあるのかよあの胸、デカすぎだろ。超世界すげぇな。
「おい、俺の事ほっぽって仲良くするなよな。ディメンション」
「あら、小野江ごめんなさいね。この子が可愛くてついつい。」
「貴方は、裂九真で名前合ってたわよね。
初めまして、私はこの超世界の創造主であり主のディメンションというわ」
「はい、よろしくお願いします。」
「早速質問なんだが、裂九真はお前の能力で超世界に来たのか?」
「ええ、そうよ。ただ、今回は私の力が寝起きで暴走してしまって、いつもはすぐに消えるのだけど、何故か中々消えなくって」
「あのー、さっきから何を言ってるのかが、さっぱっりなんですでけど、、、」
「あ、そうよね。能力の説明もしていないものね。この超世界では住んでいる者たち全員に何かしらの能力があるのよ。元から何かしらの能力を所持している者はこの超世界ではさらにその能力が成長しやすくなるのよ。でも、貴方のように何の能力もない子がこの超世界に来てしまうと、すぐに妖怪や化け物に殺されてしまうから、私の力でこの超世界に入った時に何も能力がない者たちには1つ何かしらの能力が自動的に備わるようにしたのよね。でも、私にもその能力が何かは分からないようになっているから、本当は私の能力、世界を繋ぐ能力で、最初は私の前に来るようにしているのよ。でも、今回は私の能力が暴走してしまって、貴方はこの森に飛ばされてしまった訳よ」
「なるほど、じゃあもう1回僕のいた世界と繋いでもらえば帰れるってことですね!」
「いいえ、ごめんなさいね。私の能力は世界を繋げて、連れてこれても返すことは出来ないのよ。まだまだ能力が弱いからね」
「能力が、弱い?」
「ええ、この能力には、全員に共通してレベル的なものがあるのよ。そのレベルが高ければ高いほど能力で出来ることは増えるわ。でも、私のこの能力はどうすればレベルが上がるかも分からないし、上げようが無いのよ」
「俺の能力はこの超世界にいる者たちを把握できる能力で、レベルがないタイプの能力なんだよ。妨害系の能力でもない限りは全てを見通せるんだ。つまり、何も分からないお前の能力は妨害系って訳だよ。詳しくは分からんけどな」
「私にも、貴方の能力はさっき言った通り分からないのよ。でも、妨害系というのは確かだと思うわ」
「そうなんですね。じゃあ、俺は帰れないって事か、、、まぁ元の世界ではもう家族もいないですから誰も悲しむ人はいないのでいいんですけど」
「お前、元の世界の家族は死んだのか」
「うん、小さい時にね」
「そうか、じゃあ俺がお前の兄貴になってやるよ。だから、この世界では孤独じゃない」
「なら、私は貴方の母親とでも思ってちょうだいね。私には、貴方を見守る責任があるのだから、困った時はいつでも呼んでね」
「2人とも、ありがとう!」
「とりあえず、住む所がないだろうから俺の家
に来いよ。飯も寝床もちゃんとあるからさ」
「何から何までお世話になってしまってごめんね。僕も自分なりに出来ることはするよ」
「おう!お互いに協力しようぜ!」
「じゃあ、これで話は済んだわね。私は寝床に帰るから、また何かあれば呼んでね。この世界の管理があるから忙しい時は無理だけど出来るだけは応答するから」
そうして、ディメンションさんは能力を使って自分の家に帰っていった。元の世界に帰れないのは少し残念だけど、新しい家族が2人も増えて、今俺は最高に嬉しいよ。
一方その頃、超世界の何処か
「マスター、超世界に新たな生命を確認しました。種族は人間です」
「人間がやって来ただと?薄汚いあの人間がか?この俺の手でぶっ殺してやる」
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