n=53 幽霊屋敷
uさんの職場近くに建つコンビニが、少し変だという。
そこに立った店は、あまり長続きしない。
uさんの覚えている限りでも、デイリーヤマザキ→ラーメン屋→保険事務所→セブンイレブン→建築事務所→ローソン、と短い期間で頻繁に変遷している。
そのローソンを夜中に訪れたときのことだ。
照明の少ない田舎道の先、光が煌々と照っている。
少し駆け足になり近付いていくと、変だ。
光る看板、店の外装、全てが「自分はセブンイレブンですよ」と主張している。
赤オレンジ緑の3色を使った、明るい暖色系の看板は、どう見てもセブンイレブンのそれだ。
「知らない間にまた潰れて、セブンに変わったのか?」と小首をかしげながら中に入ると、内装も間違いなくセブンイレブンである。
その日のuさんは、ななチキを買って帰った。
しかし翌日、通勤中に見てみるとそこに立ったコンビニは、間違いなくセブンイレブンでなくローソンだった。
職場でその話してみたら「俺は夜中行ったら、ラーメン屋だったことある」って同僚もいて、訳わかんないんですよね。潰れた店の幽霊的なやつ?
uさんはそう語った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます