第5話 スライム
翌日
ノアは地面に転がっていた。転がっている、というよりもうずくまっている、というほうが正しいかもしれないが。
「痛ってえぇぇ!!まさか木から落ちるとは...。腕がああああ...。」
そう この男起きると同時に木から落下したのだ。そのはずみで左上腕をぶつけたのでこのような奇行に及んでいるのである。
「やっぱ片腕がないと立ち上がるのも一苦労だな。ここから出るのにも戦闘は避けられないだろうし...。どうにかならないかな?」
(まあ方法がないわけではないが。その前にこれからやるべきことをまとめてみるか。)
1.左腕を治す!
2.力をつける!
3.森から脱出!
「正直言って3番目はまだいい気がするんだよなあ。」
最初はノアも森から生きて出ることが目的だったが昨日のあの出来事があってから気が変わった。力をつけたいのなら魔物の種類が多いこの森は最適なのではないか?と。
だからこそ目下最大の問題は左腕がないこと。片腕がないとこれに慣れない間は重心が取りずらいし動きが制限される。魔物がこの状態でうまく動けるようになるのを待ってくれる訳もなし。
「そうゆうことで今日はあの魔物を探しに行きますか!っとその前に昨日の狼もどきを「解析」していくか。」
そうして狼もどきの死体に近づくと
「
種族名
状態 死亡
大きな犬歯と鋭い爪が特徴。毛皮は火に強く、防火服として重宝される。
危険度 C
「名前は
魔物の強さにはF〜SSランクまである。その中でA〜SSは−、+に分けられ、SSランクともなればかの魔王と同等の力を持つということになる。ちなみに今回戦った赫狼はC級冒険者1人で倒すことが可能である、という魔物だ。間違っても冒険者でもない子供が相手をしていい相手ではない。
作戦がうまくはまったとはいえ赫狼と戦って生き残ったノアは異常である。
「一応皮を剥ぎ取っておくか。なんか防火服になるとか書いてあるし。」
毛皮を剥ごうとしたがそんなことはやったこともないノア。一時間に及ぶ悪戦苦闘の末不恰好だが皮を剥ぐことに成功した。
「まあこんなもんだろう。お目当ての魔物を探しに行きましょうかねっと。」
そうしてノアは水辺を探すことにした。目当ての魔物が水辺にすんでいるというのもあるが早めに水源を確保しておきたいというのもある。
移動時間短縮、トレーニングも兼ねてノアは走って水辺を探す。元々体力には自信があるつもりだったが、訓練と実戦はまったくの別物だ、ということを昨日思い知ったからだ。
そうして走ること数十分。太陽が真上に来たあたり、ついに水辺を発見。ついでに目的の魔物も発見。
その魔物とは青い体に丸っとした流線形。駆け出しの冒険者が倒すようなあの魔物だ。
そうスライムである。
ノアはスライムに近づくと剣で薄く傷をつける。しかしつけた傷はみるみる再生していき終いには元通りになってしまう。これを見てノアは口角をあげる。
そして剣を振り上げると思い切り振り下ろした。
パリンッ。
スライムの体内にあった核が割れる。するとスライムは体を保てなくなり溶けて消えてしまった。
「フフ。これであれが手に入ったはず!」
ノアはスキルボードを出現させる。
「叡智の
・解析 ・身体強化
コピーしたスキル
・俊足 ・硬身 ・自己再生
「いよっし!これで左腕は治るはず!感覚的に明日には治るかな?そうすれば存分に戦える!」
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