図々しい女・・・

「分かりました! 明日もお昼を奢ってくれるという事で手をうちましょう。」

佐々木遙は当然だという素振りで言い放った。


「なんでそうなるんだ?」

彼女の図々しい要求に俺は怒りすら覚えた。


そんな佐々木遙は一瞬ニヤリとしたように見える。

「佐藤さん、昨日女の子とドライブしてませんでしたか? 駅前の交差点で停止している時、見かけたんですが・・・ 彼女とはどんな関係なんですか?」


「えッ、見られちゃたの? 彼女は・・・」


「まさか姉妹きょうだいなんて言わないですよね? 前に姉妹きょうだいは居ないって言ってましたよね?」


彼女の追求に耐えられなくなって俺は昨日の事を話し出す。

「彼女は横田百合と言って俺の家のすぐ前の病院に勤務する看護師なんだ。週末に飲み会があって、酔い潰れて俺の家の玄関前で寝ていたので介抱したんだ。」


遙は俺をジッと見て聴いてきた。

「酔って動けない娘に何もしてないですよね?」


俺は身の潔白を訴える為に遙の目を見て応えた。

「もちろん、酔った娘になんか何もしていないよ!」


遙はニャッとして言い放った。

「分かりました! 信じてあげます。 その代わり月末の給料日まで私にお昼を奢ってください。」


俺は「ハァ〜」とため息をつく。

「なんでそうなる? もし、奢らないかったら俺はどうなるんだ?」


遙は思わせぶりな仕草で俺を見る。

「そうですね〜 "女の娘を酔わせて家に連れ込んで酷いことをした"というのはどうでしょう? 女子のネットワークは強力ですよ~」

彼女の顔がだんだん悪魔に見えてきた。


「分かった・・・ 降参だ。」


「ヤッタ〜 毎日大変でしょうから明日はマクドナルドでいいですよ!」

彼女なりの気遣いのつもりなんだろうが・・・

女って恐いな・・・

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