憂鬱な月曜日
気だるい月曜日がやって来た。
仕事に行きたくない。
まだ仕事が始まってもいないのに、もう週末が恋しい。
きっと今日も当たり前の様に残業3時間だろうな?
重い身体を引きずる様にして俺は仕事に向かった。
会社に到着すると今日の営業先リストを渡される。
「何だよ〜この量は?」
朝の段階で残業がほぼ確定となった。
営業のアポイントメントの合間に商品説明のチラシを会社のパソコンで俺は作っている。
学生時代、一太郎とかLotus123とかは触っていたので商品の特徴を円グラフなんかで表現した。
「パソコンあると便利だな・・・ 俺もパソコン買おうかな?」
俺はチラシを仕上げながら独り言を呟く。
「佐藤さんチラシ作るの上手いですね!」
不意に同僚の佐々木遙から声をかけられた。
「あぁ~ コレは数少ない俺の特技だからね!」
「ヘェ~ そうなんですね~」
「そこは嘘でもいいから『数少なくなんか無いですよ』とか言って欲しかった。」
ガッカリする俺に彼女は爪を深く刺す様に・・・
「陰キャラだって何か一つ位、特技があれば世の中上手く渡っていけますよ。」
・・・陰キャラという言葉が俺に更に深く突き刺さった。
そんな俺の気持ちなんかお構いなしに彼女はニコニコしていた。
「佐藤さんの真面目にコツコツ仕事をこなしていく姿勢は背中を見てるだけで『頑張らなきゃ』って気持ちになりますよ。」
彼女なりのフォローのつもりなんだろうけど、陰キャラ確定という事が俺には重かった。
営業に行く足取りが更に重くなったが俺の性格上サボる気にもなれず、ポケベルとさっき作成したチラシを持って営業にでかけていく。
営業は主に個人のペットショップだが動物園や動物を扱う公園なんかに行く事もある。
それから最近、超大型ホームセンターでも動物を扱う処が出てきている。
営業はとにかく顔を覚えて貰うのが一番なのでとにかく幅広く通った。
仕事も一段落してお昼にしようと思ったら会社からポケベルで呼び出された。
何事かと思い、公衆電話を探し連絡をいれる。
俺を呼び出したのは朝話しをした佐々木遙だった。
「今日のお昼、奢ってくれるって佐藤さん言ってましたよね?会社の側の定食屋でいいですか?」
俺は「ハッ何のこと?」って黙っていると・・・
「金曜日の飲み会で"奢ってやる"って言ってましたよね。」
俺はちょとした下心で言った事を思い出した。
「今日のお昼とは言って無かったよ。急に言われても困るよ。」
そんな俺の言葉なんかお構い無しに彼女は続けた。
「私、給料日までピンチなんです。お店で待ってますので急いで来てくださいね!」
彼女は言いたい事言ったらガチャッと電話を切った。
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