第30話
私は考え抜いた末、魔王のいた森のそのまた奥へ向かおうと考えた。あそこなら誰も来ないに決まっているわ。
最後の村に到着してからこれから必要になるであろう買い物を全て済ませて、出発する。村を出てから魔法を使い、クロムの歩く道を切り開いて少しずつ進んでいく。急ぐ旅でもない。こうして道を作ったとしても森の回復力はすごい。半年も経てば道など無くなるだろう。
野宿をしながらクロムと進んでいく。魔王が残した魔力の影響もあってかこの辺の弱い魔物が殆ど居ないようだ。けれど強い魔物は数いるらしく、弱い魔物を駆逐しているのかもしれない。
2日ほど森を彷徨い野宿をした後、泉が湧き出ている所を見つけた。そこは鬱蒼とした森の中で違和感を感じるほどの澄んだ水が湧き出ていた。
「なんて綺麗な泉なの」
私は手で掬い一口飲んでみる。地下から湧き出た水はとても冷たく、旅の疲れを癒してくれるような美味しい水だった。クロムも横でゴクゴクと水を飲み始めている。良かった。ここの水は飲めそうね。
まぁ、毒が入っていても魔法で解毒出来るのだから気にしなくて良い所ではある。
よし!決めたわ。
ここに住む事にしよう。飲み水を確保出来るのが原則だもの。私は魔法を使い周辺の木を入り倒していく。
木の家の作りはずっと村々を巡って作り方も聞いていたからある程度はわかる。時間は沢山あるわ、ゆっくりやっていこう。
コツコツと作り続け、私とクロムが住む木の家がようやく完成した。庭も少しだが作ってみた。
「クロム。ようやく完成したね」
毎日少しずつ家を建てながら襲ってくる魔物の討伐。完成した家の周りにロイクが新たに開発した結界杭を打ち込み完成させる。
実に感慨深い。
この結界は魔物が嫌う物を使っているらしい。最初からクロムは結界内に入って居ればクロムは結界内に登録され出入りは自由になっているらしい。
戦闘を繰り返してきた私は更に経験値が増え、ロイク程ではないが転移が出来るようになった。普段は魔物を狩り、その素材を街に売りに行く事が出来るようになったのは嬉しい限りだ。
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