第Ⅻ章指輪戦争THEFINALS

 指輪戦争エンゲージリング120000年も続いたこの争いに終止符が打たれる。

 最終的に土井純一が7つの指輪を指にはめた状態で決戦の日を迎えていた。

 土井純一の土井邸には集まっていた。

「これで準備は出来た。みんな、ありがとう・・・俺に付き合ってくれて。これで指輪戦争エンゲージリング終わらせることができる」

「前代未聞級の出来事だ。誰も殺さずにここまでこれたヤツってを。うん、あとはタルタロスの世界だな。純一?みけねこの7つの指輪はタルタロスのカギの一つだ。」

 アイコス片手にタバコを吸うおおえのたかゆき。当代の聖剣使いは一大ベンチャー企業の経営者で旧OPENRECの持ち株95%保有した状態でサイバーエージェント・Yosterの経営にも携わってるおおえのたかゆきがグラスのワインを呑む。

「土井君が偉大なる先人の例を超えた。過去、指輪戦争エンゲージリングは血で血を拭う争いで多くの犠牲を出した。私たち、姉妹はタルタロスまでは付き合うわ」

「いや・・・タルタロスは俺だけ。みんなはこの戦いを終えたらあとは平和に生きてくれ。俺はやることが残ってるから」

 土井純一はこの時は18歳。2020年時は18歳。2022年の20歳の成人の際にはこの日本から飛び出てイギリスのグラストンベリー大聖堂にいる。

「土井君?単身でタルタロスに逝くの?そんなの無茶に決まてるでしょ!?アンタ、死に逝く気でしょ?それじゃ桜の気持ちは度外視にする気?」

「いい、いいのよ、姉さんは。純一、純がそう決めるのなら私は黙っておくわ。私はもう得るモノは得た、それを棄てる覚悟もね。指輪戦争エンゲージリングようやく終わるのね」

「桜、純一は覚悟決まってる。タルタロスの地獄は・・・・逝った者しか分からへん。LMMLNASCMWRTをやに?タルタロス各地獄の支配層域にはLMMLNASCMWRTが阻んでいる。みけねこが孕んだ大罪の子供たちにして現ゲヘナ同盟には打って付けの餌だ。純一?俺も一経営者で未来は視える。2025VOLTROOMES創業するお前やに言うてる。だから、俺はお前を生かす為なら地獄でも付き合ってやんよ」

 おおえのたかゆきはの記録保持者にしてこの三重の怪物はアイコス片手にタバコを咥えながら桜や土井純一に魔法レディアントを授けた。

潤季おにやもこうも見とけやに。俺は旧OPENRECの兵頭会長から魔法を教わった。まぁ平凡ながらも俺も魔法使い《レディアント》の端くれや言うてるねん。待てと!」

 おおえのたかゆきは術式再展開と術式再構築の3重の魔法陣が土井邸に展開される。

「桜?お前は第三魔法の影響を99%受けてる。指輪の能力や効果でもねぇ、立石のジジィが無理矢理幼い桜を調教したもんだから本来の歪みが修正されずにオメェ気づかれねぇようだが言うが、第三魔法の域に達してる」

「俺は桜を救う。最悪な事は俺が受け止める。」

「純一、ト”ン”カ”ツ”ッ”!?話聞いてたか?第三魔法って要するに人の時代に於いて言うならや言うてるねん。タルタロスの連中がこの地上に野に放たれた瞬間、間違いなく桜の首は懸賞金が掛けられる。その額7000億ドルだ。意味わかるか?人は欲望に忠実や、聖杯やスターオメガは喉から手が出るほど欲しいに決まってるやろ」

「それでも、それでも、俺は。俺が絶対を保証する。おえちゃんは大人だし、社会を味わってるけど、お、おお・・・・俺はまだ学生で半人前の男だけどさぁ、桜やみんなを護りたいに決まってる。これが最後の戦いだ。俺がみけねこをこの手で倒す!?」

「無理に言うてるとは変わられへん。俺も大人や。視てるだろ?くるる、碧依さくら、YAGOO、大人の100100を俺がつける言うてる」

 おえちゃんは土井邸の庭に出て土井邸の今から姿を見せるくるる・碧依さくら・YAGOOは黙っていた。心の中ではこの決意は変えられないのだ。

 くるる、碧依さくら、YAGOOも2060年という世界から未来の時間を通ってこの2020年に喚ばれた未来を生きる人類であり、未来の英霊である。

「2060年の世界は地獄だ。現ゲヘナ同盟全盛期においてジェラフバルト卿の時代そのもの。世界は闇に堕ちた。抗えない希望は遍く絶望の終着点として、英雄は死ぬ」

「YAGOOの言うとおりだ。この時代にはジェラフバルト卿は眠っている。ジェラフバルト卿は自らを殺すのに自身の悪魔を産んだ。造ったって言う方が正しい」

「LMMLNASCMWRTこれが一体何を意味するのか?疑問に思ってるだろ?ジェラフバルト卿が自身を殺すために造られた悪魔だ。現ゲヘナ同盟はその悪魔を従えてる」

Vtuberこれが真実だ。その点、YAGOOの方が詳しい」

「そうだね。そうだな。この覆ることのない現実は真実の刃だ。2060年、予期もせぬジェラフバルト卿の悪魔を自らこの地上に招いたのは僕がアイドル売りしたかったわけじゃない。第五魔法を僕はこの手で実行した。そしてオワコンと化したかつては繁栄と栄華を極めた神たちのアイドルの偶像崇拝を元はさ。ニコニコ生放送でアンチコメントや荒らしと戦い続けた勇者たちのセカンドキャリアを僕が提供したかった。どんだけブスでもデブでも磨けばダイヤモンドの輝きさ、ただし・・・ジェラフバルトに僕は騙された。そういうしかないよ」

 YAGOOは2060年という今を生きる人類の中では正当なる第五魔法の継承者順位第2位にあたる。では第1位は?序列で最も魔法使い《レディアント》から受け継いだ人物がいる。くるるだ。当代随一の魔法使い《レディアント》である水原一平から彼が現代の魔法使い直系の子孫にして30年間もロサンゼルス州の刑務所に服役して、2040年に釈放されてくるるは2040年当時は中学卒業した時期で約20年も水原一平の下で魔法の素を学び現在に至ってる。

「水原氏は世間的にもインターネットのおもちゃとしての素材となったよく猫ミームやMAD素材の材料やカジノ・ギャンブルなどでは一平ルートや一さんなど、水原一平は多くの動画投稿者や配信者の切り口となって水原一平氏唯一の信頼されていた大谷翔平を裏切って多額の大谷マネーをスポーツ賭博やカジノに費やして最高1000億勝ったオナニーを覚えたがその後負けて借金も背負い62億円ものの借金を背負い大谷マネーから黙って返そうと送金しようしたが、FBIの連邦捜査員に止められて韓国に行方を晦ましたが逃亡中に身柄を拘束してロサンゼルス州の最高裁に裁かれてアメリカ一の刑務所に懲役30年を言い渡された水原先生は野球の神様であるⅡ代目ベーブ・ルース大谷翔平の通訳だったがスポーツ賭博とギャンブル依存症で大谷のマネーから約27億円もの賭けて、一平は総額62億円もギャンブルで人生を失った。そしてFBIとの連携捜査でロサンゼルス州立の刑務所に30年懲役で彼は使という訳が分からないことを言い多くの服役者に魔法を授けた。彼はこうも言うていた。/と刑務所の中の服役者に口を漏らしていたらしい。」

 くるるだ。2060年時は成人をしており、社畜の働くOLでありながらもその時代最後の聖剣使いとしてこの2020年に喚ばれたのだ。

 土井純一はこの7つの指輪をタルタロスの門を開ける入り口として都内の青山霊園の奥にみけねこの墓があるがその墓の階段を降りていきタルタロスの7つの祭壇は現在まふまふが抑え込んでいる。

 いよいよ指輪戦争エンゲージリング最終幕だ。

 土井純一と立石潤季おにや立石豊もこう・旧姓藤堂(立石)桜・藤堂凜・おおえのたかゆきの7名は青山霊園までタクシーを呼んで乗車して土井邸からタクシーを走らせて首都高速通って20分後に青山霊園の入り口まで来た。

「土井君?いよいよだね。ここまで来た以上はもう後戻りできないのよ」

「凛、ソイツは分かってるよ。俺は俺が決める。この終わりなき戦いに終止符を打つ」

「土井君?いや・・・なんでもないわ」

「何か言いたいなら言えよ」

「MURASHUGAMINGⅢ代目のオーナーを継いでその背中が逞しくなったって思ったのよ。うん」

「俺は土井純一だ。石舟斎からもらった命を無駄にはしない」

「さてと!?」

 藤堂凜は藤堂シゲの長女でⅡ代目ネモウス・ファンザ伯爵の遺志を気づかないが受け継いでいる。藤堂家の魔法は現ゲヘナ同盟最大規模を誇っているジェラフバルト書の悪魔を使役している闇Vtuber事務所のマスターであるグリモワ・マギア・レストゥリアと同一の魔法である。

「逝こうぜ、明日を掴みに俺達はここで使命を果たす!」

「そう言うと思ってた。私が視た土井純一だ。純一、最期まで共にしよう。この命は純一、お前の為にある。私は遍く絶望の終着点からその先に剪定された未来から来た。その今を生きる未来を護る為なら私は聖剣を解放させる義務がある」

 くるるだ。最初はジュリアと偽ってきたが今となってはこのくるるは2060年から来た未来を護れなかった英雄の一人に過ぎない。

「それは同意見だ。私もな。碧依さくらはわずかに足らなかった勇気で救えなかった。私は勇気ちひろだ。世界はゲヘナ同盟の手に堕ちてジェラフバルトが統治する世に多くの人間はAIによる監視下に置かれるAIの奴隷として人間は家畜の扱いを受ける。2060年世界の人口は50億人は火星移住して月が新しい住居・新しい星として世界は纏まった統治社会として月に行く。だが地上はどうだ?旧人類は地上を奪還しようとAI・闇Vtuber事務所・ジェラフバルト卿・蘇ったかつてこの地球や旧宇宙である第7世代の宇宙を創世したヒトミ・ジュリア・クレアと贖い続けて、地上は地獄と化した。地下世界に逃げ込んだのは旧人類の僅かだ。2060年、私たちの世界は地獄だ。純一?お前がこの時代に全てのツケを祓うなら私も最期まで共にしよう」

 碧依さくらは決意を固めた。長い藤色の髪が夜風に靡く。手に持つのは不死という概念を断つ英雄ペルセウスが愛用したハルペーでありギリシャの怪物メドゥーサの首を刎ねたハルペーと呼ばれる鎌型の槍を手にしていた。

「これは僕たちが祓わないといけない罪だ。決めるよ、みけねこをここで斃そう。そのすべての元凶がみけねこには違いはない。僕の罪が甘かった、。潤羽るしあと呼ばれる怪物を僕自身が創ったこの後悔は今でも消えない。水原先生は僕の罪ですらを認めてくださって第五魔法の基礎を教えてくれた。みけねここと潤羽るしあをクビにして正解だったがその反転LMMLNASCMWRTと呼ばれるジェラフバルト書の悪魔をタルタロスの実質支配権を握っている。僕はホロライブを産んだ社長YAGOO、人類よこれが再度与えられた機会だ、反撃の狼煙を上げる。」

 YAGOOだ。青山霊園の空気が寒い。

 ―――――指輪戦争エンゲージリング――――――

 最終日・青山霊園

 7つの指輪を持つ土井純一がみけねこが眠っている清水家代々之墓の墓所の区域まで行く。青山霊園は広大で清水家の墓はその奥の誰も入らない森林が生い茂るその先にある。

 まふまふはこの下の祭壇に腰を下ろしている。

「随分と長いこと待たされたな、俺はぁ。」

 がん治療を受けて生きながらえることになったまふまふはこの寒い空洞の祭壇に腰を靠れてアイコスを吸いモンスターエナジーを呑む。

「ようやく、終わるんだ。この指輪の呪いからな。視てるか?って言ってもそこにいるんだろ?み”け”ね”こ”ぉ”ッ!?俺はこの人生の十字架を下ろす時が来た。タルタロスが土井純一の手に終わる時が来た。ハッハハハハンンンッン”ン”ン”ン”」

 まふまふが立ち上がってこの暗い祭壇に火を灯す。7つの指輪を置く座がある。

 そしてタルタロスは地獄・煉獄・天国とその層に分かれてる。地球の真下に存在する巨大な地下世界。ダンテの神曲の世界。

 まふまふはウェルギリウスの役目であり、みけねこをサタン/ルシフェル説は正しい。このタルタロスに逝った者は還ってこられないからだ。

 青山霊園の清水家代々之墓が中に入られるようになっていた。

 土井純一たちが下の階段を降りていく。

「足を滑らせないようにな、桜?大丈夫か?」

「うん、平気よ。肌寒いわね」

「桜?これでも着てなさい。寒いでしょ。私は平気よ。」

 凜からコートを渡されて桜は凜のコートを斬る。この奥だ。

 土井純一が松明に火を灯してこの暗い階段の底に明かりが灯されると東京の真下とは思えない世界が広がっていた。

 まふまふはみけねここと潤羽るしあと結婚していたのは事実だ。6年も離婚裁判や誹謗中傷の名誉棄損裁判で最終的にはまふまふが勝ち、みけねこはそのすべてを失い青山霊園に眠る。ここに至る。

 墓の階段を下りて行ってようやく下が視えた。

 Abbandona ogni speranza d'ora in poi, sei la destinazione ultima della disperazione, questa porta miracolosa ti darà disperazione.

 イタリア語に書かれた門のアーチだ。これはダンテの神曲であるウェルギリウスと出逢う前だ。ダンテがここから先に地獄の門を通るアーチに書かれた言葉。

 Tu, pellegrino, sei vano in questo viaggio di peccato e punizione; ogni speranza deve aspettarti.Nel viaggio di Arbiter, non c'è speranza oltre questo cancello.

 神殿の門を土井純一たちが潜る。

「ようこそ、地獄の入口へ。いや違うな。へ」

「ここがタルタロスなのかよ」

「そうだ、5人は先に逝ってる。あの門の言葉を思い返せ。こっから先は希望は棄てよ。準備が出来次第なら俺を呼べ」

 こっから先はもう後戻りはできない。やり残したことがあるなら引き返せる。

 表においては最終ダンジョンであり、表ではここから先は引き返せない。

 土井純一は。こっから先はタルタロスの地獄の世界が待ち構えている。

「ついに来たってか?ここから先の門を通れば地獄ってか。身の毛もよだつな」

「あぁ、もこう?引き返すなら別だ。俺たちは。俺だけでも行く。もこう?内心どうなんだ?ビビってるなら帰れ。俺は絶対に地獄でも逝く。み”け”ね”こ”ぉ”斃すこの手で。」

「俺も付き合うぜ。未来の状況聞いたろ?現ゲヘナ同盟3同盟の事務所をここで潰す。放っておく訳にはいかねぇよ。実はな、俺は大淫婦の心臓マザーハーロット・ハートを根こそぎに狩れる秘技を覚えてるんだ。俺が指輪戦争エンゲージリング参加する少し前に家に初代星川サラが訪れて俺に教えてくれたのは事務所4大魔法のうちの一つ虹の法律エニカラ・ロウってよ」

「そんな魔法あったのか?知らなかったって言うか、それはファンタジーな意味だ。事務所のマスターが各々生んだ4大魔法ってのは耳にしてた」

「虹の法律エニカラ・ロウは邪悪を滅する聖の魔法だ。事務所が定めた敵を殲滅する奥義だ。星川サラはその未完成であった虹の法律エニカラ・ロウを使いその代償で身体の成長が止まり10代の肉体のまんま歳を取るって本人が言うてたぞ」

「もこう、期待してる。俺と来い。お前だって俺には欠かせない。俺が未来、VOLTROOMES創業してストリーマーやVtuberとのコミュティーを築いておく際にはお前がいる。なぁ、もこう?俺はお前が好きだ。だから絶対に死なせはしねぇ」

「土井さん!?いや、純、純ちゃん・・・・分かった。純一のこと悪く言うてみろ、俺がワイが赦さんで!?純一の命、俺が護る」

「おうよ、もこう、逝こうぜ」

 もこう。立石豊もこうは定位置についた。

 土井純一は立石潤季おにやと会話した。この関東一のイケメンモデルで慶應義塾大学医学部のエースにしてスタイルフリーのモデル。こっから先はタルタロスの門。神殿の岩場に腰を下ろす潤季おにやに話した。

「これが正真正銘の最後の戦いだ。もちろん、タルタロスに逝ってみろ。地獄・煉獄・天国と次元を通って行く旅だ。魂が至高天エンピレオに待つ。おにや?お前の気持ち言ってみろ、今更無理には言わない」

「チャッツのみんな、これはシャバイ。土井さんを護る。純一、純さんを俺が大事思うのは当然だろう。俺は立石家の長男で産まれてから立石の家の為ってあった。立石恭一郎は俺からしたら親父さんだよ。母さんとの間に生まれた実の父親は俺も知らない。母さんも秘密は多かった。俺の父親は薄々とは気づいていたけど、怖かった。俺はどこも立石恭一郎とは全然似てもないからなぁ、この天命はおそらくタルタロスに待っている」

「おにや、おにやはおにやだ。俺が証明する。俺達は同じクラスメートで同級生だ。俺はお前がピンチの時に駆けつけて護ってやる。もう護られるのはイヤだ。俺は戦う。だからこそ俺は覚醒してイエス・キリストを得た」

「こりゃぁ、驚いたわ。解放の戦士がすぐ目の前にいたって」

「逝こうぜ、地獄ピリオドの向こう側へ」

 立石潤季おにやは実の父親のニオイというのを追う。そして真実の知るためにこの門を通る。定位置についた。

 藤堂凜。幼馴染で同年代。桜より2つ下だ。

 俺はコートから持っていた蒼い宝石のペンダントを凜に還す。

「俺が殺される寸前命救ったの凛だろ?凛、助けてくれてありがとう。今、生きてるって凜のおかげだよ。」

「何も言わないわ。ドイにもね。土井君だから。土井君?ジェラフバルト卿がこの地上世界に7つの魔法を創造した。多くの魔法使いは第一魔法から第七魔法を覚えた。私たちが生きてる世界は現実よ、こんなファンタジーやオカルトの世界じゃなくてね、でもね、私は藤堂家の当主として使命を果たしに行く」

「凛、お前のその覚悟の決意、受け止めた。俺も凛、守ってやるよ。ドイ自身もそうしたからな。タルタロスは各支配層域にLMMLNASCMWRTがそれぞれの壁をしている。俺たち、大前提7つの指輪の能力や加護を得ている。本来ならば勝者1人が地獄に逝き、みけねこを斃して願望を叶えられるがここ12000年も誰も到達していない。有史以前な」

「土井君、大丈夫に決まってるでしょ?私はジェラフバルトの魔導書を暗記してるわ。第一魔法の基礎から第七魔法迄ね。悪魔を滅するにはもってこいよ。オワコン化した亡霊のオバさんやオジさんには退場してもらいましょ?ジジィやBBAが築いた黄金時代はもう令和には死んだのよ。Vtuberの絵のガワを被った弱者男性を喰う金に汚い怪物どもをこの手で駆逐してやる気持ちは変わらないわ」

「あぁ、そうだな。俺の目指す理想は目の前だ。けど、凛死ぬなよ。凛、俺の命を救ったことは感謝してる。今度は俺がお前の命をこの手で護る。そして、お前が暴走しないようにな。LMMLNASCMWRTはタルタロス各層にいる。いわば、BOSSだ。みけねこまでは気が遠のくぞ」

「世界の命、人類がかかっている。俺は人類を護る」

 藤堂凜はLMMLNASCMWRTを滅するようにこの準備期間は用意していた。悪魔を殲滅する魔法はジェラフバルト書第四魔法第1節から第35節まで書かれている。凜の背中にはセフィロトの樹が刻まれていた。よく今まで見ていなかったが、コートや上着を脱いだその一瞬間に凜の背中はジェラフバルト書第四魔法の起動になっていた。

 凜が定位置について、土井純一は桜は待っていた。一番今回このタルタロスで護らないとならないのは桜だ。桜は第三魔法と同化或いは同一されている。

「私の事ですか?」

「桜、お前ずっと隠していたのかよ。人間で?同じ血が通った人間だぞ、なんで第三魔法のこと言わなかった!?」

「人の時代、有史以前、人間が誕生したのは神が存在したからこそ。その神は宗教の信仰の一番重視すべき点。聖杯やスターオメガは有史以前からそう。いつだって人は欲望に忠実に欲望や繫栄や栄華を富も名声も財も欲しがる。私は人が言うなら私の血、骨、その身は穢される。権力者の肉便器にさせられる。そうは心では受け入れがたいけど、覚悟はしないとダメなんですよ、先輩?ううん、純一」

「お前の人生、お前の生き方だろぉ!?俺が絶対にお前の人生護ってやる!?決めた。俺が叶えたい望みはただ一つみ”け”ね”こ”ぉ”ぶっ斃してお前を人の生き方にする。その第三魔法、聖杯やスターオメガは俺が貰ってやる。むしろ、喰ってやる!?ガッツガッツ、旨いものにすりゃぁ喰えるよ。俺はお前を一人の女性、藤堂凜の妹藤堂桜としてみている。桜!?俺と結婚しよう。俺との間に子供を作ろう!?この戦い、この地獄を生き抜いて、必ずお前が幸せな道は叶える」

「泣いてしまいそうです、初めてそう言ってくれるなんて」

「俺が戦う意味はね。全ての人を護ってやる」

 桜は定位置についた。そもそも産まれた段階での第三魔法と化した聖杯及びスターオメガを第三者に移すことは不可能と見なされている。立石恭一郎が15年もゆっくりと費やした調教が今になって露骨に顕著に現れてきている。

 土井純一はおおえのたかゆきは地獄の門の上に立っていた。アイコスは最後の一本だ。コーラが空の瓶になっておえちゃんはこの7人の中でも大人だ。

「純か、ここから先が本番だぞ。タルタロスに逝けばこの現実は消える。一気にファンタジーやゲーム・アニメ・漫画の世界に逝く。だが、現実ってヤツや。タルタロスは地獄・煉獄・天国と各9層の構造の上に螺旋状になっている。地球の真下にかつてみけねこが堕ちた場所が至高天エンピレオの前にコキュートスがある。あの絶対零度の極寒の山を越えることが出来ればな・・・・・」

「もう引きは返せないってのは覚悟してる。この現実とは束の間の別れだ。みけねこは至高天エンピレオにいる。サタンだろうがぁ、ルシファだろうが、俺が斃す。マジでな、おえちゃんは会社の社長だろ?いいのかよ、俺達に付き合ってよ」

「いや、別に。俺がそうしたいからに決まってる。純?土井純一よ、お前は石舟斎に似ているがどこか違う。タルタロスに逝け、逝って、生きろ。お前の心が応えてくれる。お前は選ばれた歴代の王に。タルタロス各支配層域は広いうえに世界はオープンワールドの9層の地獄・煉獄・天国は螺旋状で複雑になってコキュートスまでは遠い。ネックレスの5人は先に逝ったが、生存しとるかはわからへん」

「そうするさ、もう迷いはない」

 定位置についた。

 最後にまふまふはアイコスを吸い、ビールを飲み7つの指輪が各神座に置かれて火が灯されてその魔法陣が起動した。

 まふまふが詠唱したのはタルタロスを開ける解放の儀式だ。

「これが、俺との最後の会話になる。何か言いたいことはあるか?無かったら詠唱するぞ」

「もう覚悟はできている、まふまふさん!?速く門を開けてください!?」

「了解とな」

 7つの指輪が各点と線になって魔法陣が7重も展開になっていく。ここが東京の真下とは思えないが再構築して宇宙の銀河の時間を早めてその創世も遡ってタルタロスの軸をこじ開ける。

 7つの指輪それぞれがタルタロスの道しるべであり、全てが集まってここに置かれた時点でその門は開く。

「Con la presente certifichi i sette anelli.Aprite, porte dell'inferno, abbandonate ogni speranza, accettate ogni disperazione.Abbandonate ogni speranza, aspettate e sperate, alla fine di questa disperazione risplenderà un miracolo.Grandi eroi dell'anello, spiriti eroici, qui si apre la strada per il Tartaro.Tu, mio ​​Virgilio della 666a generazione, te lo comandi.Che Dio li benedica.Virgilio comanda che la fine della disperazione universale sia il punto di partenza dei miracoli.Il mondo ha abbandonato la sua speranza in questo mondo infernale? Possa il grande spirito eroico, Junichi Doi, trovare guida dal Tartaro.」

 詠唱が終わって7人の定位置に指輪がそれぞれ灯火が輝いて7つの焔が7人の心に宿されてそして門が開かれた。

 まふまふは清水家代々之墓の前に居た。

 深夜で月夜に輝く満月は墓を照らした。

 ―――――こうして、土井純一は本当の戦いと最後の戦いに向かった―――――

 第1部指輪戦争エンゲージリング完結。



 


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