第ⅩⅢ章虚ろなる巡礼者の旅路~tartarus~

 門が開いた瞬間7人が目を覚ましたのは地球の地下1200000000mの空洞の地球のマントル核にあたる部分の世界だ。

 確かに地獄である。門にはこう書いてある。

 Questa è la porta dell'inferno, abbandona ogni speranza, ed è il punto di partenza della disperazione universale.Il viaggio vuoto del pellegrino inizia qui.Il mio antenato, il grande santo Virgilio, me lo comanda.Lasciati alle spalle la disperazione e muori, non rinunciare alla voglia di vivere, non dimenticare e andare avanti, sette indicazioni, che i pellegrini siano benedetti.

 土井純一はついにタルタロスに足を踏み入れた。

「ここが・・・・全員、無事か?」

「うん、平気よぉ・・・アッ熱いッ!?服、服脱がなきゃ死ぬ」

「そりゃなぁ、ここは地球のマグマだまりの真下だ。熱量980000000℃の地点にいるんだから道理で熱いに決まってる」

 くるるだ。くるるはこの眼下に広がる地獄の入り口。燃え盛る炎と川岸にはカロンの渡し船の船頭がいた。碧依さくらとYAGOOもこの入り口には初めてだ。

「神曲は何度も演じられていたから知ってる。2060年、絶望の中でもなぁ、演劇は人を勇気づける」

「あ、あれな!?神曲は演じられる一方で映画化されるしな。リドリー・スコット監督の神曲THEDANTESSTORYは観ていたなぁ」

「とりあえず、落ち着いたか?ガキども。俺は冷静だ。リ”-サ”ル”やぞォ」

 おおえのたかゆき。おえちゃんは第4次以来となるこの場所。地肌はこの焔が燃え盛る下りていくと河がある。河には舟が並んでいる。

 土井純一は条件を満たしてるので船は銭が必要。上は地球にして大陸の上には人が住んでいる。この真下はみけねこ時代の120000年変わらない地獄。人類が核から逃れるために地下に築いたもう一つの地球内部に存在する世界。

「全員分、全員分の銭は?」

「持ってる、持ってるわ」

 7人は銭を数えてまずは河岸まで歩いた。驚くのはここが地球の空洞の真下内に位置する地下世界であること。タルタロスが顕現するってのは現地上の軸がポールシフトのズレが生じて北極と南極の磁場がズレることで入れ替わる事なのだ。

「ねぇ?ドイくんは?土井君ね。未来の土井君じゃないわよ?ここ、本当に地獄の入り口なんだよね。」

「俺は、そのさぁ・・・・ここがタルタロスってのは驚くが驚くのはその先だ。ここからが長い。全9層の螺旋状に連なって複雑な迷宮で入ったら帰っては来られない。各支配層のLMMLNASCMWRTをBOSSがマークされてる。ぜっ、ぜっ――――――ゼッたいに死んでられねぇ!?生きて、生きて、メタルクウラ作戦で肉のアーチになってでも生きてみ”け”ね”こ”ぉ”をぶっ斃すぞ!?」

 ここは入り口。焔が燃え盛る空洞の細道を降りていくと水が滴る音が聞こえる。カロンの渡し船の場所だ。

「先輩?失礼、純一は、純ちゃんは・・・本当に人にするの?私を。そんな願望なんかの為に?もっとも、叶えたい夢ってあるんじゃないの?」

「桜、ねぇーよ。うん、俺には桜が大事だ。っぱよぉ、俺の夢ってのは桜しかねぇんだわ。第三魔法になった身体を人にする。魔法をロストさせてもう一度身体に反転置換させるってやってること自体が難しいと思うが、俺はやる」

「なんだかテレちゃうね。純ちゃん?でもこれだけ言えるのはジェラフバルト卿の魔導書に書かれた魔法を同一に同時に術式展開して再構築するのは一般人じゃ真似できないのよ、素人に毛が生えた程度の魔法使い《レディアント》でもね」

「俺は大事ない。石舟斎から確かに受け取ったよ。俺は覚醒で神になれる。まだ制御とか自分自身コントロールは出来ねぇが俺はイエス・キリストのエクソソームで生きながらえ、あぁ、石舟斎があの時に親父があの災害で俺を救った手段だ。親父はイエス・キリストの頭蓋骨をヨルダンの聖ヨハネ教会の隠された壁画を辿って教会下の地下から盗んだか?見つけたかでその頭蓋骨の採取から髄液を取っておいて、俺の血に流した。そして、覚醒で俺はキリストに同化できる」

「まぁ、それは第七魔法にあたるわね。お父様は何が目的だったの?」

「それは私から言うべきだ。石舟斎と組んだ私に言う権利がある」

 くるるだ。そう言えばくるるが組んだ相手が石舟斎湊純だった。

「桜、それに純一。お前の父である石舟斎のことだ。石舟斎はVtuber・魔法使い殺しで名を馳せていたそれなりの知名度があった男だ。第6次の際にあの大災害を止めようと私は聖剣を振れずにいた。東京で大規模な死傷者を出して純一?お前はあの時燃え盛る東京の瓦礫に押し潰されていたところを石舟斎は助けた。人を傀儡にしか思ってない冷徹な男が最後に人を取り戻した。んで?石舟斎はどうした純一?」

「親父は死んだよ。土井邸の権利を全てオレに。けどな・・・・俺は石舟斎の分までは生きる。繋いでくれた命だ。くるる?どうした?」

「聞けて良かった」

 胸のしこりが引っ掛かっていた。みけねこを斃せば終わる。2060年じぶんたちが生きる世界その本当の黒幕がまだこの・・・みけねこを黒にしたのがずっと頭に引っかかって気持ち悪かったが遂にその突破口が桜だった。

「お爺様はよくBREAVRYGROUPADMINISTRATORとはモメていたわね。指輪戦争エンゲージリング始りにおいてみけねこと利香を動かしたのが当時はジェラフバルト卿が自身を殺すために作らせた事務所。しかしジェラフバルトの名を名義を貸しただけで本質は違う。誰が率いて?それは分からない。ただしジェラフバルト卿は真名マルドゥーク・ファンス・エヴァンス・ジュリア・ヴェスタニエというそのジュリアじゃない。JULIAがかつてこの地上を支配していたのは巨人である。この世界に巨人は実在していた。レイプされて無理やり中出しで孕まされた子で生を受けた。」

「桜!?そうだ、そうだ、私が本当に喚ばれた意味だ。ようやく理解できた。現ゲヘナ同盟最後の一角でその最終の敵がBREAVRYGROUPADMINISTRATORだ。純一、お前はみけねこを斃しもこの世界が崩壊して地上が地獄に・・・・そうだ、2060年私たちはマルドゥーク・ファンス・エヴァンス・ジュリア・ヴェスタニエというBREAVRYGROUPADMINISTRATORはジェラフバルトの魔法を全て体現した。そして、桜、お前にこれを言うか迷っていたが赦してくれ。『桜、お前は死ぬ。BREAVRYGROUPADMINISTRATORにな』私が視えた絶望を言う。みけねこと利香はBREAVRYGROUPADMINISTRATORに洗脳を受けた。正しくは総理大臣や政治や大手メディアも騙して資金調達も多額の詐欺に横領、日本メディアのライフラインである民放テレビは全滅だ。三井不動産も騙された。ジェラフバルト卿は自身を殺す為の傭兵として13の№を付与した。桜、お前はこのタルタロスの最中殺される。だが、純一、お前が桜を救う。その代償を払ってな。真の敵は・・・」

「くるる?真実か。口を閉ざしたことを言うてくれてありがとう。」

「私は心配いりませんよ。うん、立石家は魔法に特化している。対魔法のお爺様は。恭一郎の実の息子、立石潤季おにやもこうの実の父親である立石大作先生は指輪戦争エンゲージリングその裏を掴んでいた。みけねこと利香以外に手を差し伸べた犯人がいる過程として第八魔法をお爺様に秘匿した」

?そんな馬鹿なっ!?魔法を産み出したのか?魔法を終わらす魔法を?魔法はジェラフバルトが7つ創世したって言うが、大作先生がその魔法全体の根幹を終わらす魔法を産み出したのかよ」

「逝くぞ、舟が着く」

 さっきの光景とはまた違う。水が滴る音。マグマの下にこの地下水脈。カロンの渡し舟が着いて土井純一は第1層に逝く。

 舟が並び、今から巡礼者の旅が始まる。そしてタルタロスというこの開かれたオープンワールドで土井純一は果たして何を見るのか。

「お客さん?1層までは5$だよ」

「いや、1層からは最深部までは踏破して逝く。命の5$これでどうかな?」

「・・・・・・心得た、では、渡って善し」

 タルタロス全体の地図が巨大な螺旋状の山となっている。河を渡り岸に着くとみけねこ像が安置されていた。みけねこの全身像がここに置いてある。

 みけねこの全身裸体像が置いてあるのにYAGOOがタバコを吸う。

「地図を埋める、スタミナを回復する、ここからはオープンワールドのダンジョンだ。気を引き締めて行け」

「それは分かってる。その前に全員宿った焔は?」

 指輪のその明かされる能力や効果を焔骸とも言う。7人それぞれに宿されたのは指輪戦争エンゲージリング終わらせた証拠であり、ここは第1層前だ。

 YAGOOもBREAVRYGROUPADMINISTRATORという存在は知っていた。

「頂きギャンブラーリリー平も頂き女子リリーちゃん俺は知ってるよ。水原先生から第五魔法の基礎を学びBREAVRYGROUPADMINISTRATORはこの世界のクリエーターになる気だ。自分たちを神として、救世主気取りだ。ジェラフバルト卿は名を貸したばかりだ。実質はその13人が活動しているが、このタルタロスは広い。そして全員強い。日本政府は乗っ取りを受けた、銀行ですらも手中に収めた。どうかな?2060年、絶望の先には何も遺ってない」

「BREAVRYGROUPADMINISTRATOR?私もそれは知っている。2023年ごろだったかな?日本政府の心臓に張り込んで潜入して政府を貪り、政治家・経済界ですらも経団連ですらも僅か1年で洗脳を受けたって言うね。13人しかいない小規模だけど、実力が圧倒的にモノガチガウ!?私たちはBGAと呼んでるわね。ジェラフバルト卿が自らを殺す為の傭兵にして2000年~2015年まで約15年間もニコニコ生放送・Twich・ツイキャス・声優・プロゲーマー・グラビアの化けの皮を被った連中だ。15年活動していた実績とそりゃ鋼の精神が強い。その精鋭部隊13人がここを巣窟に拠点にしてる点だ。」

「さくら?それは本当か?Vtuberは絵を被ったガワさえあればいくらでも蘇るこの世が産んだ怪物さ。俺はこの手で、この時代に全ての闇を祓う。俺は否定的な意見はないが、石舟斎と同じ道は辿らない。さくら、約束はしてくれ。ガワを被ったこの社会が産んだ怪物を一人残らず駆逐する。俺はこの地獄を生き抜いて地上に帰る。」

「かつて正規事務所で私と同じ所属であった現在大淫婦の心臓マザーハーロット・ハートの現マスターはそうだな。郡道美玲は初代星川サラ逝去後にマスターに就任、終始生涯を費やし星川サラの秘密や魔法に研究熱心で闇落ちして自分の部隊を作った。その部隊がこのタルタロスで活動してる」

 碧依さくらは約300年前あの郡道美玲と同じ事務所に所属していた。このタルタロス第1層は崩れた神殿とタルタロス第1層に土井純一たちは進んでいく。

 ―――――タルタロス第1層―――――

 燃え盛る炎が大地を灼熱に熱する。

「LMMLNASCMWRTをだな?タルタロスの上層部はLMMLNASCMWRTが支配層になっている。そうよな、くるる?」

「そうだ、あぁ、そうさ、LMMLNASCMWRTがタルタロスの上層部を支配している。最も下に下層部に逝くには必要な試練だ。地獄巡りって気分は最悪で吐くぞ」

「みけねこが孕んだ子供たち、これは表向きの表現だ。裏を言い返すとBREAVRYGROUPADMINISTRATORの兵隊の一角に過ぎない。だろ?YAGOO」

「桜君に、凛ちゃんにも言うべきだ。俺は後悔が必ず後ろに来る。BREAVRYGROUPADMINISTRATOR通称BGAの13人のジェラフバルト卿を殺す為の皇帝の親衛隊だが皇帝はジェラフバルト。その右腕には魔導皇帝シーザージュンが皇帝の右腕で魔導を束ねている。B.E.S.P.O.13人の傭兵の本当の名だ。」

「という事はゲヘナ同盟を壊滅させようにも、LMMLNASCMWRTがまずは障壁ってこと?」

「凜の言うとおりだ。LMMLNASCMWRTが障壁であり、歪みの修正を正す。だが、この第1層の支配層までは遠いぞ」

「各層には門と門を繋げる聖域が存在する。それは己の罪を清算する。地獄には7つの罪を一人一人が罪を清める。」

 おえちゃんはアイコスを吸いながらこの地平線を進んでいく。タルタロス第1層は燃える大地が続く。神殿が崩れて廃墟の瓦礫跡。

「魔法は異質なニュートラルなエーテル物質だ。ジェラフバルト卿は世界を闇にその手は死を呼ぶ。世界最悪な魔導士だ。13人はジェラフバルト卿の皇帝守護の兵に過ぎない。マスター毒ヶ衣ちなみは葉加瀬ハヤト・夜見冬雪・加賀美れなの3名と別離に動いてる。LMMLNASCMWRTも障壁だが、俺は立石家の長男として学んだきた、B.E.S.P.O.はBREAVRYGROUPADMINISTRATORの皇帝の兵。俺達はその名を知らないが、よく爺さんとはモメていたなぁ」

「オニヤの言う通りや。恭一郎のじいさんとB.E.S.P.O.の初代マスターは既に故人だが、その影を継ぐ代表みたいなスーツを着た若い営業マンとはしょっちゅう家に来ては結構怒号を叫び、モメていたなぁ」

 もこうとおにやは確信に触れていた。B.E.S.P.O.の初代マスターは既に死んでいる?ジェラフバルト卿とは今のところ土井純一は逢ってもない。

「純ちゃん?ここはまだ続くわ、で、話しておきたいことがあるの『ジェラフバルト卿とは逢ってでも逃げて』死の魔導士よ。ここ120000年も永遠にこの地上とタルタロスを彷徨い続けて見た目ですらも変わってはない。うん」

「桜にせろ、立石の家はジェラフバルト卿になんか怨恨あるんか?」

「ないけどね、ただし、しいて言うならB.E.S.P.O.ならあるわ」

「一番初めの指輪戦争エンゲージリング最初は指輪7つを殺して奪ってただ1人の勝者だったのよ。B.E.S.P.O.はその潤羽るしとホロライブの情報漏洩事件を機にるしあが完全受注生産した世界に300000個限定の一生一緒エンゲージリングをヒントにした聖杯に代わる代理戦争を思い付いた。それが、これよ」

「桜、それはマジかよ?」

「土井君、桜の言う事は事実よ。本来は聖杯とスターオメガを競い合わせる新しい時代の支配者、宇宙の夜明を告げる者を決める戦争のシーソーゲームよ」

「それがみけねこと指輪戦争エンゲージリングにどう結び付けるんだ?」

「ジェラフバルト卿の失踪はB.E.S.P.O.にとっての損失。彼をもう一度奮い立たせる狼煙を上げたのよ。土井君?2060年に視る世界は残酷よ。以外に覚醒して人類を立ち上がらせる人物が生まれる」

 炎炎の灼熱と崩壊した神殿と城郭の廃墟跡を進んでいくと、黒フードを被った人影が崩れた神殿の瓦礫に埋もれた玉座に腰を下ろして蹲っていた。

「気をつけろ」

「くるる?なんだ、どういうこったぁ?」

 くるるが聖剣を拘束する。その蹲っていた人物の高濃度の人の域を達するエーテルに凜が金貨6枚を投げて高速で魔法の陣を形成する。

「遅いよ」

 フードからその顔は予想外の人物であった。

「土井君たちは上に、そっか河岸まで逃げて!?マズイ!?あ”ぁ”あ”ぁ”GETWILD、土井君、コ”イ”ツ”ァ”ッ”!?」

 生者の生は枯渇する。死という概念がここにはない。

「僕の名を知ってるなら、ここから立ち去るといい」

「ジェラフバルト卿で知られている。マルドゥーク・ファンス・エヴァンス・ジュリア・ヴェスタニエだ。魔法の根源オリジンズ・ファンタジー僕が書いた魔法は多い。第零魔法僕に魔法は通じないよ」

「一旦河岸まで走るぞ!?」

 土井純一だ。ジェラフバルト卿は彷徨いながらここに休憩したようだ。

 河岸まで走り、みけねこ像に祈って一旦は燃える地でどうするかだ。

 魔法とは。

 第零魔法零は一を産み、一は零を産む。有から無を創造させるこの宇宙は創世させた星の爆発

 第一魔法

 魔法の構築には5つの『火』『金』『水』『土』『水』『木』に別けられてる。全ての始まりには全ての終わりが対となっている。

 第二魔法

 命、血を分け能う者と平衡次元上の多重次元を構築する者。あらゆる魔法の王の下に次元を超える超克する神の頂に到達する者

 第三魔法

 聖杯、或いはスターオメガは宇宙の夜明を新時代の扉を開き、人類の新しい指導者・支配者として人類の未来は神の仔イエス・キリスト直系の子供たちがスターオメガを手にする。新時代の支配者には聖杯とスターオメガをハプテスマの洗礼を受ける。

 第四魔法

 繋ぎ、継承する者。旧時代の死を告げる。獣を産み、獣を喰らう魔女の饗宴にして夜の時代、それは時代の終わりを意味する。魔女の宴と魔女の焔が鎖を放つ。

 第五魔法

 意義と失う者。時間の逆光・遡光運河。あらゆる時間の概念を超える。破壊と創造であり、時間指定に未来視・過去視が視える人物。本来ならば魔法はここで収束する。時よ、ジェラフバルト卿自らが告げる。汝は我、我は汝、ここに魔法は終える。

 第六魔法

 起源に到達する者。根源に辿り着いたそれは自身を生かすも殺すも自由な魔法。

 ジェラフバルト卿が凌概念を解除できないのはかつての世界と時間を引き換えに永劫なる世界の鎖に拘束された奴隷の魔法。故に起源の者は獣に非ず。

 第七魔法

 第八魔法

 不詳。ジェラフバルト卿の10000年間はLMMLNASCMWRTを産み出した。

 ジェラフバルト卿と並ぶ魔法については2頭の双璧と呼べる人物がいた。

 エイボンの冠名を受け継ぐ歴代で20人いる魔法と魔術の才能が天才とも呼べる人物で現在は未詳。

 現在・タルタロス第1層-みけねこ像-

「地図を広げるってでも、無理がありすぎる!?」

「魔法に詳しいエイボンが見つかれば、LMMLNASCMWRTを各支配層の聖域にて試練を受ける必要があるって言いたいか?」

「土井君、ちょっと待ってよ・・・5?いや違うわね。あの5人はこのタルタロス全層の最下層に逝くって言うてなかった?ってことは、あの5人を見つかればこの地獄を生きて帰れるわけよ」

「姉さん、姉さん?それは分かるけど、どうも無理らしいのよ。B.E.S.P.O.がこのタルタロスを軸に拠点にしてるのなら意味が違う」

 桜の言うとおりだ。土井純一はここにきて判断をミスできない状況に立たされていた。おおえのたかゆきはアイコスを吸いながらタルタロス専用のギャラクシーを操作してアイコスを片手に持ちながらギャラクシーに反応があった。

「エイボンのことを言うてるんやろ?お前ら。タルタロス唯一の現存する世界最古の正規Vtuber事務所兼UUUMの祖にあたるのが魔導の次元マギアステラ・ディメンションに籍を置いてあるのが分かった。逝くぞ。エイボンに違いない。歴代20人のエイボンの御業を継いだ史上最強の魔術や魔法の天才。だろ、純一?」

「おえちゃん、ナイスゥ!?で、場所は?」

「第1層のジェラフバルト卿を搔い潜って真下の中腹に山脈の空洞がある。そこから地下のシャンバラに続く。正規事務所があるのはシャンバラの寺院の一角だ。」

「で、地図を見ると。現在地ここで。目的の場所は・・・ここか」

 闇Vtuber事務所の最大同盟ゲヘナ同盟に対抗できる光の成り上がりがB.E.S.P.O.でもジェラフバルト卿ですら手を焼くのがここシャンバラに存在していた。

 第7世代宇宙創世したこの太陽系と第2世代銀河系宇宙を創世したヒトミ・ヒマリの直系の子孫たちがシャンバラに寺院を建立。その寺院の一角に魔導の次元マギアステラ・ディメンションが存在する。

 初代マスター兼CEOのヒトミの子にして第一魔法の正当後継者であるクリオキュロスがマスターを務めてる。クリオキュロス・ゼノヴィア・バトラバーン卿もとい大魔導元帥閣下はジェラフバルト卿が地上を侵攻するB.E.S.P.O.の対抗策に120000年も費やしてると噂話は聞いたことがある。

「どうした、くるる?顔色が悪いぞ」

「いや・・・なにも・・・そ、そうだな」

「くるるのお爺様なのよね?クリオキュロス・ゼノヴィア・バトラバーン大魔導元帥閣下って。クリオキュロス科・エメフィール科・マルドゥク科・マギアステラ科・ノートリッジカレッジ科・Vtuberタレントアカデミア科の6つの科が存在している。いわば6大魔法の魔法使いの祖がその礎を築いた。」

 くるるは表情を隠す。どこか隠したい気持ちがあったのだろうか。凜は魔法の研究にも費やしてその過程でクリオキュロス・ゼノヴィア・バトラバーンという名を知った。

「ジジィとは縁自体がねぇ。私に魔法の素質がないからだ。幼少期にタルタロスの魔導の次元マギアステラ・ディメンションにインターンとしてジジィの魔法使いの下で修行させられたのが今になってもトラウマだよ」

「私はその聖剣に選ばれた。2060年、今より40年後に来た人間だ。B.E.S.P.O.は世界を支配する。お前らの内にも言うけど純一だけが生き延びる。他は地獄逝き確定だ。純一、お前はその聖杯とスターオメガを手に入れて全員を生き返らすことを条件にある引き換えをした。私はその未来を打ち砕きに来た」

 真実は残酷の刃となる。時には。第1層からとりあえずの道は下に降りていき山脈の空洞を目指すことだ。

 少し過去の話だ。

 魔導の次元マギアステラ・ディメンション世界最古に現存するVtuber事務所兼タレントマネジメント・プロゲーミングの事務所でそこからUUUM・ZETA・RIDDLE・FANZA・E-BODEY・OPPAIが誕生した。いわばその系譜の祖に要を気づきあげたのが初代マスターのクリオキュロス・ゼノヴィア・バトラバーン大魔導元帥閣下である。

 そしてクリオキュロスとはイエス・キリストの下の礎となりキリスト教の土台が誕生してこの者の下に居たエメフィール・ド・エイボンはエイボン書を著作した。

 エメフィール・ド・エイボンはクリオキュロスの許可を得て事務所のオフィスの6畳半の3LDDKの部屋を工房としてジェラフバルト卿に備えている。

 ――――5000年前―――――

「ところでよぉ、20代目のエイボンが君か?」

「そうだな、ジィさんも若いな?その老体に鞭をいれるなよ。ジジィは早く死んで逝け!とは言わない。言わせない。俺は魔法は魔法で世界を救う。ジェラフバルトの名は耳にしてる」

「その人物は有毒性を持っている危険人物だぞ。B.E.S.P.O.も目を置いてる。みけねこ、いや違うなぁ・・・潤羽るしあに指輪戦争エンゲージリングを耳に囁いたのもB.E.S.P.O.の連中だ。指輪を造り、繁殖力が強く世界に30000個の限定受注生産だが、その指輪は人の幸福を奪う物だ」

「だろうなぁ、俺もそれを疑っていた。が、遅いなぁ。始まったもんににゃ、俺もエイボン書で対策はとれるようにここを借りてもいいか?」

「無職の家に借りられるとでも思うのかい?エイボン君」

「歴代20人の長を知り尽くした俺に無敵な笑顔は荒らすメディアだぜ。エイボンは冠名だ。」

「キミはどうしたい?」

「ENYCOLLARESを創設した星川サラの実星川ネユルに聞いてみてどうだ?このタルタロスを生き抜くカギだ。最悪な判断を除いて。みけねこのsingprojectの件については叶う訳がないよ。なぜなら?と疑問を持ちかけるがB.E.S.P.O.の手が迫っている。ジェラフバルト卿は第五魔法も自らが産み出した。時間的の超克も同左もない」

 エイボンはエイボン書を閉じる。エイボン書はジェラフバルト書と同一の存在として語られるがこの時、若きエイボンとクリオキュロスが語っていたのは魔導の次元マギアステラ・ディメンション建設時予定地のシャンバラ寺院の一角だ。

 話を現在に戻すと、土井純一たちが中腹の空洞に来た時。

「ジジィにも会うのか?」

「そ、そりゃぁ、魔導の次元マギアステラ・ディメンション初代マスターがいるなら挨拶するだろうよ」

「ジジィ、私はあの大魔導元帥閣下の孫って思われるのがシンドイんすよ」

 くるるはシャンバラの導きによってこの中腹で地上は灼熱に対してここは水が滴る鍾乳洞の中を通ってまっすぐ進むとそこには。


 

 


 

 

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