第50話 魔剣


 「寝すぎた」


 自分の一言と共に、目が覚めた。

 窓から見える太陽は、どう見ても昼近くになっている。

 不味い、仕事をサボってしまった。

 俺がサボればその分だけパーティの収入は減り、更には探索の手も遅くなる。

 慌てて起き上がり、装備に身を包んでから一階に駆け下りてみれば。


 「あれ?」


 そこには、誰の姿も無かった。

 父さん達は勿論、仲間の姿も。

 更に言えば普段から家に居る筈のミサさんやエルメリアの姿さえない。

 これは、どういう事だろう?

 皆俺を置いて仕事に出かけてしまったのだろうか?

 ミサさんとエルメリアに関しては買い物に出たという可能性もあるが……ココまで皆の気配が無いのは珍しい。

 どうしたものかと頭を掻いてから、とりあえず外に出てみれば。


 「起きたか」


 そこには、父さんが……いや、英雄と呼ばれる剣士が立って居た。

 普段とまるで雰囲気が違う。

 彼の周りにはパーティメンバーである勇者一行が揃っており、真剣な顔を此方に向けている。

 そして、その周囲には。


 「こ、これって……」


 「選べ、リック。新しいお前の相棒を」


 視界いっぱいに、大量の剣が突き立てられていた。

 まるで墓標の様に、数々の大剣が地面に突き刺さっている。

 その中心には、四人の英雄達。

 視界の端には心配そうな顔をした俺のパーティメンバーと、ミサさんにエルメリア。

 どうやら皆、俺が起きるのを待ってくれていたらしい。


 「選べって言われても……こんなにいっぱいあると……」


 思わず息を呑んで、周囲の大剣を眺めてみれば。


 「使ってみないと良し悪しなんて分からないからな。選ばせてやろう」


 “英雄ドレイク”が、手近な一本を抜きとってこちらとの距離を詰めて来た。

 不味い、アレは“本気”だ。

 そう感じた瞬間、近くにあった大剣を掴んで彼の攻撃を防ぐ……が。


 「何だこれ……っ! 砕ける!?」


 俺が掴んだのは、まるで氷の様な美しい刀身の大剣だった。

 英雄が集めた大剣だ、どれもこれもとんでもない業物な筈。

 だというのに。

 ピシリッと、今にも砕けそうな音が響いて来た。

 明らかに脆い、防ぎきれない。

 攻撃を逸らすと同時に大剣を投げ捨て、他の物に手を伸ばす。


 「ぐっ!?」


 ソレに触れた瞬間、普通とは違うと気づいた。

 真っ黒い大剣、以前父さんが俺達を助ける際に使っていた物だ。

 手に持った瞬間黒い霧が溢れ出し、体に纏わりついて来る。

 コレは、ヤバイ。

 掴んだだけで気分が高揚して、全てを切り刻みたくなってくる。

 恐らく呪いだ、コレはそういう類の大剣。

 思わず手を放し、ぜぇぜぇと荒い呼吸を繰り返していれば。


 「休んでいる暇はないぞ」


 「っ! マジかよ!」


 目の前に、大剣を振り上げた父の姿があった。

 咄嗟に飛び退き、バク転なんかも合わせながら距離を取ろうとするが。


 「身軽なもんだな。しかし、それだけで逃げられるか?」


 物凄い勢いで突進してくる父さん。

 その刃先は真っすぐこちらを向き、避けなければ間違いなくこの体を貫く勢い。

 どんどんと迫って来る切っ先に集中しながら、構えられた大剣の下へと足から滑り込んだ。

 体を伸ばし、両手を上げる様な間抜けな態勢になりながらも、相手の股下を潜り抜ける。

 そして。


 「なっ!? 今度はなんだよ!」


 手近にあった一本に触れた瞬間、何故かその大剣は変形した。

 中心から分かれるみたいに、ガションッ! と派手な音を立てながら真ん中に隙間が出来たのだ。

 とは言え、再び大剣を構えて迫ってくる父さんの攻撃に備えない訳にもいかず。

 仕方なしにその剣で応戦してみたが……。


 「何だこれっ! 芯も何もあったもんじゃない!」


 普通なら、攻撃を受けた際には剣の芯から衝撃が伝わって来る。

 だというのにコイツは、まるで適当な鉄板を繋ぎ合わせたかのような、幾つもの振動が掌に返って来た。

 こんな剣で何度も攻撃を防いだら、絶対手が馬鹿になる。

 今すぐにでも他の剣に変えるべきだ。

 なんて、思っていたのに。


 「え?」


 カショッと音を立てて、もう一つ剣柄がつばから飛び出して来た。

 しかも、妙に真ん中から割れた刀身。

 これって、もしかして。


 「迷っている暇があるのか? 使ってみろ」


 父さんの一言に、思考より体の方が先に動く。

 飛び出して来た柄を握り、思い切り引き抜きながら相手の攻撃に応戦してみれば。


 「なんだ、コレ」


 「そいつはな、カラクリの大剣“ダッジ”だ。状況に応じて、様々な形に化ける」


 俺の両手には、両刃の大剣を二つに割った様な双剣が握られていた。

 さっきまでコイツは、間違いなく一本の剣だった筈。

 だというのに、コレは……。


 「試してみろ」


 短い一言と共に、父さんが再び大剣を振りかぶった。

 不味い、この状態じゃ防ぎきれない。

 なんて、思った瞬間。

 二つの剣が引き合う様にして、また最初の形に戻っていく。

 まるで何者かに引っ張られたかの様に、勝手に一本の大剣へと姿を変えてしまった。

 その剣を盾の様に構え、父さんの攻撃を受けてみれば。


 「今回は……防げた!」


 ドデカイ大剣へと姿を変えたカラクリの大剣“ダッジ”は、今度ばかりはしっかりと芯の様な存在を感じる。

 それくらいに、確かな感触を返してくれた。

 攻撃を受け流しながら、もっと速く攻撃に転じたいと願うと。


 「ハ、ハハッ。凄いこの剣!」


 再び大剣は二本に分かれ、今まで以上に手数を増やしてくれる。

 今では父さんが防御に回る程。

 凄い、凄いぞコレは。

 そのまま攻め込み、長い双剣を振り回していれば。


 「そら、反撃が来るぞ。どうする?」


 片方の剣を弾き飛ばし、体を回転させるようにして大剣を振るって来る父さん。

 パリィされた後なのだ、当然弾かれた側はがら空き。

 だとしても、だ。


 「“ダッジ”!」


 何故か、大剣の名前を叫んだ。

 もう片方の剣でどうにか防ごうとしていた筈なのに。

 弾き飛ばされた方の剣も、俺の声に答えるかの様に勝手に戻って来る。

 二本の剣は再び結合し、元の大剣に戻って父の一撃を防いでくれた。

 それどころか今度はもっと短い剣柄が生えて来て、ソイツを引き抜いてみればマチェットが現れる始末。

 まるで大剣の方から「反撃しないのか?」と煽られている様な気分だった。

 なんだこれ、何なんだコレ。

 コレが英雄の武器、一線を凌駕した者じゃないと手に入れられない装備なのか。

 興奮したままマチェットを振るえば、父さんは大袈裟に回避しながら距離を取った。

 もしかして、父さんもこんな形になるのを始めて見たのかも。

 だとすれば凄い事だ。

 英雄でさえ使いこなせなかった武器の新しい形を、俺が発見してしまったのだから。


 「気に入ったか?」


 「物凄く」


 「なら、ソイツはもうお前のモノだ」


 声に答えてからマチェットを大剣の中に仕舞い、再び正面に構えた。

 一見すれば、ただの大剣。

 様々な箇所に筋というか、溝がある様な変な見た目。

 重さも普通の大剣と比べて大差ないだろう。

 しかしながら、コイツは様々な形に化ける。

 その時に応じて、必要な武器に姿を変えてくれる。

 こんな武器が、世の中にはあるのか。

 そこらの武器屋じゃ絶対にお目に掛かれない代物を、今俺は握っているのだ。

 この剣なら、“アイツ”にも届くかもしれない。

 そんな風に考えれば、思わず口元が吊り上がってしまった訳だが。


 「兄さん!」


 フレンの声に、ハッと意識を引き締めてみれば。


 「気持ちは分かるが戦闘中に気を抜くな、その一瞬で首が飛ぶ事になるぞ」


 目の前に迫った大剣の腹を回避する事が出来ず、そのまま吹っ飛ばされた。

 “ダッジ”が何やら守ろうとしてくれたのか、色々と形を変えてくれていたが。

 それでも間に合わない位の隙が出来てしまったのだろう。

 盛大に吹っ飛ばされ、異形の大剣を手に持ったままゴロゴロと庭先を転がって行けば。


 「ドレイク! 何度も言いますが手加減ってものをですねぇ!」


 「セシリーに言われたらマジで終わりじゃないかな、ドレイク……」


 「リック! 大丈夫かい!? セシリー! ドレイクの折檻は後にしてリックの治療! 早く!」


 幾つもの声が聞えて来る中、手に持った大剣を抱きしめた。

 よろしく、新しい相棒。

 カラクリの大剣“ダッジ”。

 ゆっくりと遠のいていく意識の中、腕に抱いた大剣に語り掛けた。

 その声に答える様に、ダッジは刃を仕舞って大人しく俺に抱かれてくれた。

 今まで以上に、頼もしい相棒を手に入れてしまった予感がしたのであった。


 ――――


 「お父さんとは、一週間口きかない」


 「フ、フレン……あのな? 一応俺が持っているのは結構ヤバイ武器が多くてな? ちゃんと心構えというか、剣からも選ばれる必要があってだな……?」


 「ツーン」


 フレンにそっぽを向かれたドレイクが、その場に崩れ落ちた。

 クリティカルを貰った時よりも効いたらしい、娘の一言が。


 「ドレイク、こっちは私が見ているから。大人しくギルドに報告に行って来てくれ。リックに“ダッジ”を……魔剣を持たせるとなると、色々と説明も必要だろう?」


 「……わかった。後は頼む、ファリア」


 そう言いながら、トボトボと部屋を出ていく大鎧。

 今まで見た事も無い程情けない背中をしていたが、大丈夫だろうか?

 なんて思ってしまう訳だが。


 「ドレイクの事、嫌いになっちゃったのかい? フレン」


 問いかけてみれば、フレンはブンブンと左右に首を振りながらリックの手を掴んでいた。

 ドレイクの一撃を貰って、そのまま気を失ってしまったリック。

 セシリーの治療を受けた後、そのまま部屋に運び込まれてそれっきりだ。

 本人は気づいていない様だったが、一昨日セシリーの魔法を貰った彼は一日眠り続けた。

 今までの疲労がたたったのだろう。

 自分では意識していなかった心身の回復を、体が求めたのだ。

 そして丸一日眠ってしまった後に、今朝の戦闘。

 再び眠りについた兄を見れば、妹からすれば心配どころじゃない筈だ。


 「大丈夫、体に異常はないよ。セシリーの回復魔法もちゃんと効いてる」


 「ん、でも心配。最近こんなに眠る事無かった。それに、お父さんの一撃を真正面から受けた。前回は防いだだけで肩が外れちゃったのに、今回は生身で……」


 「まぁ、そうだね。周りからしたら不安にしかならないか」


 呟きながら、フレンの頭に手を置いた。

 私達だって不安になる光景だったのだ。

 彼の事を想う妹であれば、何倍も苦しい戦闘の様に見えたのだろう。

 逆を言えば、それくらいに戦えていたという事なのだが。

 当然ドレイクは手加減していたが、それでもアレだけ戦える者は少ない。

 リックは間違いなく強くなっている。

 彼が“コレクション”の一本を譲渡するくらいには。


 「周りから見れば心配にもなるが、それでもアレはドレイクなりの試練だったんだ。彼の扱った大剣を握るにふさわしいか見極める為の、ね。そして見事リックはドレイクから一本の業物を勝ち取った。まずはソレを褒めてやらなくちゃ」


 「……でも」


 何処か納得いかない様子で、フレンは膨れている。

 この子も大概ブラコンだな、なんて思ってしまうが。

 今は言わない方が良いのだろう。

 まぁ、一人しか居ない最後の血の繋がった兄妹なのだ。

 これくらい心配したっておかしくはないか。

 なんて、静かに息を洩らしてみれば。


 「あんなに危ない目に何度も合うなら……私たちは近くでゴブリン退治だけしてれば良いって、そう思ったの。こんな事言っちゃいけないって、分かってるけど。私は、兄さんまで失いたくない。もう家族が減るのは、嫌なの」


 そう言いながら、フレンはリックの掌を額に当てていた。

 あぁ、なるほど。

 もっと根本というか、根強いモノだったのか。


 「フレンは、リックに危ない目に会って欲しくないんだね」


 「……ん」


 そこには美しいとも言える家族愛があった。

 多分、旅に出かける前の私には理解出来なかった事だろう。

 いつだって自分しか信じておらず、自分の実力を示せる戦場を求めた。

 そんな私に仲間という存在を、家族という存在を教えてくれたのがドレイクだったのだ。


 「大切な人には幸せに過ごして欲しい、安全に生活して欲しい。誰だってそう願うモノだ、しかし本人はソレを求めていない。リックの様子を見ていれば、ココまでは分かるね?」


 「……わかる。どう見ても、ミーヤさんの仇を取ろうとしてる」


 言葉を紡ぎながらも、彼女はリックの手を更に強く握った。

 私たちが見ていない間、余程酷い状況に陥っているのだろう。

 報告は受けているが、現場で見る彼はきっと想像以上に酷い有様なのだと分かる。


 「私もね、多分リックと同じだったんだ。つまらない話だけど、亡き父の魔導は正しかったのだと証明したくて、突き進んだ。それでもやはり上手く行かなくてね、パーティの皆に助けてもらってばかりだったよ」


 「ファリアさんでも?」


 「あぁ、そりゃもう酷いものだった。他にも仲間が居た時期でもろくに喋らず、戦闘が始まれば活躍しようと前に出て。連携も何もあったもんじゃない、傍迷惑な魔術師だったろうね」


 今思い出しても、酷いモノだった。

 魔術師の癖にしゃしゃり出て、戦場をかき乱して。

 おまけに本人は仕事をした気になっているのだから、正直目も当てられない。

 そんな私を、いつだって守ってくれたのはただ一人の傭兵だった。

 戦闘が終わった後皆が私に侮蔑の視線を向ける中、彼だけは無言で私の分の食事まで持って来てくれた。

 似たような毎日が続く中、ある日突然。


 「お前の魔法は凄いな、とても強い。しかし、アレでは駄目だ」


 ずっと無言だった剣士から、お叱りを受けてしまったのだ。

 そこからは、口論……というか一方的な暴言の嵐だったと思う。

 私が叫び、彼はひたすらにこちらの言葉を耳にしていた。

 そして、最後に。


 「お前のお父さんの魔術は凄い、それは明らかだ。しかし、お前が悪い印象を与えてしまっては意味がない。俺が言うのも何だが……周りを見た方が良いな。後衛組には、そう言った能力も求められる」


 彼の言葉に、思わず激高した。

 でも次の日から、渋々ながらも周りの状態を見る様になった。

 そこから少しずつ変わって行って、彼とも徐々に言葉を交わす様になっていって。

 いつの頃からか、まるで父の様に私に様々な事を教えてくれる彼に着いて回った。

 最初は親しみだったのだと思う。

 だが気が付いた時には、彼が居ない生活を考えられなくなっていた。

 それくらいに私の中で大きな存在となった、たった一人の傭兵。

 私はその背中を、今でも追い続けている。


 「きっとリックも今苦しんでいる。共に歩む事も必要だし、支えてやる事も必要だ。そうじゃないと、何処かへフラッと居なくなってしまうかもしれない。だったら、共に居る為に。彼の隣に立つ為に今フレンに必要な事は何かな? もう復讐なんか止めろと声を大にして叫ぶ事かい?」


 「……」


 私の場合とは毛色が違うかもしれない。

 でも、今彼が多くの仲間に囲まれながらも孤立している事は確かだ。

 仲間に想われているのに、それに気付けない状態まで陥って。

 一人で突っ走ろうとしているのは確かだ。

 昔の私の様に。

 だったら、無理矢理にでも隣に並んでやれば良い。

 ココに居るんだと、目を逸らしても視界に入る位置まで歩み寄ってやれば良い。

 過去のドレイクが、私にそうしてくれた様に。

 結果がどうなるかは分からないが、どうしたって一人では居られなくなる。

 いつだって隣に誰かが居るのだと感じさせてくれる。

 それは、戦場において非常に大切な心の支えになるのだから。


 「ファリアさん、魔法をもっと教えて。私でもすぐに実戦に使えそうなの、もっと手数が欲しい。兄さんが突っ込んでも、私だけで殲滅しちゃえる様な強さが欲しい。それで、兄さんに言ってやりたい。ちゃんと休まないから、私より弱いんだって」


 「いいね、フレン。そんなの、最高に格好良い斥候じゃないか」


 力強い眼差しを向けるフレンの頭をワシャワシャと撫でまわしてやった。

 アルマやセシリーがこの子達を弟や妹と見ている様に、私だって同じような気持ちを持っているのだ。

 欲を言えば、この子達を娘や息子として見たい。

 だからこそ、私たちは最大限手を貸すのだ。

 これ以上、家族を失わない様に。

 年上なら、もっと頼って貰える様に。

 私たちはいつだって、無理矢理にでも恰好つけて笑うのだ。

 下の子達が不安にならない様に。


 「リックは英雄の武器とも言える代物を手に入れたんだ。それに見合う実力を身に付けるのは、楽じゃないよ?」


 「承知の上」


 「なら、特訓だ。ドレイクに反抗期している場合じゃないよ?」


 「……帰ってきたら、謝る」


 「うん、良い子だ」


 そんな訳で、私たちの方も慌ただしい特訓生活が決まった瞬間であった。

 この子達が生き残れる為の実力を、せめて私が所持している魔道具を渡せるレベルにまで引っ張り上げる。

 これは、忙しくなるぞ。

 なんて事を思いながらも、口元は吊り上がるのであった。

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