砂浜に座った少女
私の通う大学は駅から10分ほどのところにある。
目立った特色もない、至って普通の大学。
けど、ここは海が近い。
夕方は夕日が海に写ってとてもきれいに見える。
だから、昼間は大学の生徒ぐらいしかいない…はずなのに、
一人、女の子が砂浜に座っていた。
家族連れや、校外学習かなんかで来た人たちは、時々見る。
けど、一人でいる子は初めて見る。
制服は着ているようだけど、ここでは見ない制服を着ている。
まぁ、珍しいけど気にするほどのことではないか。
私は大学へと足を進めた。
大学に近くなるに連れて人が多くなってきた。
「騒がしいな…」
人混みと騒がしいので頭がおかしくなりそう…。
できるだけ人を避けながら、足早に教室へ急いだ。
そしてなんとか教室までたどり着いた。
教室だと少し静かになる。
「ふわぁ〜」
…眠い。
しばらく寝てよ。
私が眠りに落ちるまで時間はかからなかった。
「うんん?」
あれ?私いつまで寝てたの?
11:37
あ。
しまった、完全に1講義丸々寝過ごした。
今日に限って‥。
一番寝過ごしたら行けない講義だったのに‥。
「⁉」
まずい、涼音たちだ…
涼音は大学で一番美人で気に食わないことがあると徹底的に追い詰める、つまり女帝。私はあまり絡まれたくないので、涼音たちが来たら逃げるようにしている。
私は涼音から見つかることなく教室から逃げ出すことができた。
危ない、私なんて見つかっただけで標的だ。
「しばらく離棟にいよう」
私は離棟に足を向けた。
希望を願って絶望を生きる 川奈みむ @kitasan2012
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