今日もまた

「う…眩しい…」

そう言って私‥藤乃咲は目を覚ました。

カーテンから朝日が漏れている。

「起きるか」

重い体を無理やり起こしてベッドから降りる。

今日もまた生きる意味を探す日々が始まる。

このあとは朝飯食べて大学に行くか‥。

別に家にいてもやることないし、外に出たほうが見つかるかもしれない。

一人で朝の支度を始める。

誰もいない部屋で黙々と、カーテンも開けずに薄暗い部屋の中で。

寂しくなんかない、一人は慣れた。

私には親がいない。

私が幼い頃になくなったそうだ。

だから私には両親との記憶が殆ど無い。

それからは児童養護施設で育った。

そこは地獄だった。

大人に叩かれたりすることは当たり前だった。

人として見られてすらいなかった。

この日常が終わることを信じて、毎日耐えた。

辛かったし、悲しかった。

それでも耐えた。

そしてようやく、自由を得た。

嬉しかったし、わくわくしていた。

けど、また絶望を見た。

私の居場所がなかった。

どこにいても邪魔者扱いだった。

自分の生きる意味がわからなくなった。

希望すら持てないほど、目の前が真っ暗になった。

死のうと思った、けど、怖かった。

足が震えてまともに立てすらしなかった。

だから、私が生きていてもいいと言う理由が欲しかった。

生きていてもいいんだって自信が欲しかった。

だから、探す。

私が、生きる意味を。

ひたすらに。

希望を探す。

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