希望を願って絶望を生きる

川奈みむ

序章

…気づけばここにいた。

ゆっくり、ゆっくり、沈んでいく。

真っ暗で何も見えない。

けど、それで良かった。

心が落ち着く、静かで誰もいない場所。

誰も私を止めない、自由な場所。

辛いことも、悲しいことも、ムカつくことも、ない。

あいつらも、いない。

私だけの空間。

『ずっと、ここに居たい』

『…このまま、消えてしまいたい』

…しかしその望みは、いともたやすく、崩れていく。

朝の訪れと共に。

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