新たなる出会いと兵器

勇者と魔王、あと魔法について

「…成る程」


グローシアの図書館で、ハヤトは本を読んでいる。理由は簡単、この世界のことを知りたかったからだ。


まず勇者と魔王についてだ。

勇者は何人も生まれるらしく、魔王もまた何人も生まれるようだ。比率的に勇者が多く、どちらかと言うと質より量という感じだ。


勇者は雷属性という、モンスター以外だと勇者しか使えない属性がある。魔王にそれはないが、その分属性が強化されまくるらしい。


そして、次に滅魔王についてだ。滅魔王は強かった…だが、自国の民を虐げる最悪の王だったらしく、勇者マリナに倒された。だが、勇者マリナごと大爆発を起こし、国ごと消滅した。国民は何処かへ消えていったらしく、消息は掴めていないらしい。


そして、勇者マリナ…本名はマリナ ライドウらしい。


ライドウ…そう、雷同だ。雷同 麻里奈…俺の姉の名だ。と言っても、血は繋がっていない。俺が養子として雷同家に入ったからだ。実の両親?クソな親だったよ。


話を戻すが、姉貴はある日急にいなくなった。集団転移ではなく、1人だけ急に消えたらしい。人がたくさんいる前に。


そして、姉貴は死んだ…のではない。多分、ボルネスを従えている。ボルネスは、俺の剣術が我が王とやらと同じだと言っていた。


多分、姉貴は…


まぁ、今は置いておこう。


次に、魔法についてだ。魔法には補助と発動がある。発動は魔力を持っていれば可能だが、補助無しだと火の粉みたいな感じらしい。そのため、補助となる詠唱が必要だが、ある一定の魔法使いは無詠唱で魔法を放てる。


だが、一部例外がある。それは、恩恵スキルだ。

魔法のプロセスは魔法発動→詠唱→発射という感じだが、恩恵スキルには魔法発動時点で補助が入る。そのため、無詠唱で放てるとのこと。


まぁ、恩恵スキルは魔法使いにとってはかなりありがたいスキルということだ。


「て考えれば、やっぱりグレイト達はかなり強いんだな」


『それをぶっつけ本番で使えるマスターも可笑しいですがね』


「はははは…」


そんな話をしていると、外が騒がしいことに気づく。


「何かあったんですか?」


「えぇ、この街にSランクパーティーの『紅の十字架』が来てるんですよ」


「へぇ、何か依頼でも?」


「いえ、なんでも強い人を探しているとか…まぁ、あのパーティーの1人にかなりの戦闘狂がいるらしいので…確か、前にもある街で強者探しをしていたとか」


「…成る程」(かなり変わってるな…)


ハヤトはそう思いながらも興味を示し、ギルドへ向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る