幕間2 軋み蠢き胎動す

鉄の音がする。


ガシャリガシャリと、ある洞窟から響く。


グチャリと、何かを咀嚼する音が聞こえる。


洞窟の奥深くには、ある怪物がいた。人の身体があるが、その少女は虚な目をしている。そして、その少女を護るように覆い被さる金属の何かの後ろから生えた竜のような2つの口が、先程倒したのだろう、狼のモンスターを食べている。


すると、その口は洞窟の入り口を見ると、少女はふらりとしながらも立ち上がる。倒れそうになるが、少女を守るように覆い被さる金属の巨大な腕が少女を支える。


すると、少女はそのまま外に出て…虚なまま歩き出した。



「…ここにいる」


ある少女はそう言う。青髪で鎧を着た、腰にレイピアを携えている少女はある情報をもとに、グローシアへ向かう馬車に乗っていた。


「…やっと会える…」


少女はそう呟くと、耳飾りに触れる。その耳飾りは、この世界にはないマリーゴールドの耳飾りであった。

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