決着と決着

お互いの武器がぶつかり合う。あの技の爆発を喰らったが、ある程度ダメージを抑えきれ、服の一部が消えた2人はフレアネメシスと叢雨でぶつかり合う。


「やるな、ハヤト!」


「攻め辛いな!ボルネス!」


両者の戦いは熾烈を極める中、決着がつこうとしている。


(まともにやり合えるのも最後だな…あの爆発が相当体にきてる…)


(流石にキツイな…ならば…)


((この1撃で決める!))


二人はそう考えると、同時に駆け出す。


「【フレイム・スラッシュ】!!!」


「覇天流 天翔!!!」


ハヤトは下から上へ放つ一撃を、ボルネスは上から下へ放つ炎の一撃を通り過ぎ様に食らわしたい。


一瞬だけ、二人は硬直した…が、


「グッッッッ!」


「ガッッッッッ!」


2人は同時に身体から血を噴出させ、膝をついた。


「ッ!意外と深く入ったな…!」


「お前もか…ハヤト。私もだ」


「なら、お互い様か…」


「あぁ…どうやら、あいつは討伐されたようだな…なら、ここは退散させてもらおう」


「俺が言うのもなんだが…大丈夫かよ」


「心配ない…だが、今回の死闘は忘れないぞ…ハヤト」


「あぁ、俺もだ…ボルネス」


ボルネスはそう言って飛び去る。


「…やばいな、こ…れは…」


ハヤトはそう言うと倒れ込んだ。

その後、騒ぎを聞きつけた冒険者が彼を救出して、一命を取り留めたのであった。



エンシェントドラゴン戦では、冒険者達がアッシュの【戦乱無双】で連携をとりながら、翼を破壊した。

次の瞬間、ティラノが自身の牙をエンシェントドラゴンの首に食い込ませ、そのまま回転してダメージを与える。その隙に、グレイトがエンシェントドラゴンの両足を掴み、【怪力無双】で地面に叩きつけると、上空へ上がったアッシュが斧槍に魔力を込め、首に一撃を放った。


「【ヴェンデッタ・ホーリードライブ】!!!」


その一撃はエンシェントドラゴンの首を断ち、そのままエンシェントドラゴンは死んでいった。


「ふん、狂気に呑まれた蜥蜴なんぞ敵ではない…」


「えぇ…さて、私は帰ります…マスターが心配ですが、どうやら冒険者たちに運ばれているみたいですし」


「うむ…アリシア」


「…アッシュ」


「…元気そうで、何よりだ」


「…例え、アッシュがアンデットになっても…あなたを愛してる」


「あぁ、私もだ…もっと早く、言えばよかったな」


アッシュはそう言うと、アリシアを抱きしめた。すると、頭の鎧から一粒の涙が流れた…ような気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る