魔族

途中から三人称視点に変わります




「…あれはお前の差し金か」


「いや、違う…確かにあいつは仲間だが、我が王の誓約を無視した」


「…納得いくと思うか?」


多分、魔族だろうな…


「あいつは私にしか倒せない、それに」


「それなら大丈夫だ…グレイト、ティラノ!」


「マスター、私たちは」


「アッシュの加勢に行ってくれ…いけるだろ?」


「当たり前ですよ…ラカスを舐めないでくださいね」


そう言って、ティラノとグレイトがアッシュの加勢に向かう。


「テイマーか…」


「強ち間違いじゃない…じゃあ、戦うか?」


「…やはり、分かっていたか」


「あぁ、アンタが『戦いを楽しむタイプ』だってことはな」


「…あぁ、私はお前を見て…闘いたいと思った…だが、優先すべきものがあると思い抑えていたが…容赦はしない」


「…俺が言うのもなんだが、誓約ってのには当てはまらないのか?」


「相手の了承を得た決闘なら別だ…我が王もそう言っていた」


「そうか」


そんなもんなのか?と考えていると、魔族が持っていた剣が炎を纏う。


「灼熱聖剣 フレアネメシス…お前もこの戦いを求めるか」


「聖剣…?」


魔剣とかじゃなくて!?魔族が聖剣って…


「…名前を聞こう」


「ハヤト…異世界人だ」


「異世界人…そうか、私は灼熱将軍 ボルネスだ」


「そうか…」


相当強いんだな…なら、


「神凪!」


「ッ!」


すると、ボルネスは驚愕の表情をしつつも後ろに下がり、神凪を躱す。


「避けられた…!」


「何故おまえがそれを…いや、まさか…!そうか、なら合点は行く!」


(覇天流を知っている…!?)


すると、ボルネスはフレアネメシスから五つの炎の竜…というか、ワイバーンが現れる。


「追尾しろ、【フレイムワイバーン】!」


「流石に当たりたくないな…なら、【大地の龍】!」


ハヤトは【大地の龍】を三体出現させ、【フレイムワイバーン】と相殺させる。


「やるな…ならば!」


すると、ボルネスはフレアネメシスの炎を更に燃やす。


そして、近接戦闘が始まった。お互いが、街に被害を出さないように…そして、全力を出せるように街から離れながらも剣と刀をぶつけ合う。


「熱いだろうが!」


「この距離で燃えないお前に言われたくないな!」


「生憎、そう言うのには慣れているからな!」(まぁ、流石に熱いが)


お互いそう言い合いながら街から離れた草原に出ると、ボルネスは空中に飛び上がると巨大な火球を作り出し、ハヤトに向けて放った。


「【プロミネンス・インパクト】!」


「ぶっつけ本番だからあれだけど、やるしかないな!!!」


ハヤトはそう言って神凪の構えに入りつつ、魔力を刀に込め、そして


「神凪…飛ばし!!!!」


巨大な斬撃を巨大な火球に放ち、それはぶつかり合う。そして、爆発が二人を飲み込んだ。

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