あれから数日

アレから数日が経過した。あの時はアッシュが泣きまくっていたが、記憶喪失なら記憶が戻る可能性があるというと、ゆっくりとだがアリシア…いや、今はムギさんを見ることにした。

と言っても、クエストクリアの報告がてら観察するだけだが。


と、そういえばだが…アッシュやムギさんから教えてもらったが、この世界の冒険者はまぁテンプレみたいな感じだった。

ランクはF→E→D→C→B→A→S→SSとあり、俺はFランクだ。

Sまで行くともはや指で数えた方が早いくらいに少ないらしく、まぁ考えなくともそうだろうなとは思った。


やはり、この世界にもダンジョンはあるらしく…ダンジョンは空気中の魔素や魔力が集まると形成されるらしく、一度ダンジョンが出来るとダンジョンの最下層にいるダンジョンボスを倒しても消滅しないらしい。というか、一定時間経つとリスポーンするらしい。


あと、ダンジョンには二つの型があるらしい。それは、【開放型ダンジョン】と【封鎖型ダンジョン】の二つ。【開放型ダンジョン】は森や渓谷、一湖などの自然がダンジョン化したものもあるらしい。【封鎖型ダンジョン】は城や迷宮がダンジョン化したやつのこと。

それぞれメリットとデメリットがあるらしく、【開放型ダンジョン】は資源が集まるかわりに強力なモンスターに出くわしやすく、初心者にはおすすめできないらしい。

逆に【封鎖型ダンジョン】は資源が宝箱でしか手に入らないらしいが、階層ごとに危険度が決まっているらしく、初心者にお勧めらしい。あと、宝箱からは武器や防具なども出る。


と言うわけで、今はグローシアの北にある封鎖型ダンジョン【紅の迷宮】に来ている。ここは封鎖型ダンジョンだが危険度がAランクである…が、これは最下層の危険度らしい。


「…弱い」


まだ2階層だが、出てくるのはゴブリン、コボルト、スライムである。だが、あまりにも歯応えがなかった。


「いや、グレイトやアッシュが強すぎるだけだな…うん」


『私たちがいえたことではありませんが、まぁ…そうでしょうね』


『うむ』


奇襲は【気配探知】があるから一応、大丈夫である。


「でも、ランクを上げるとなると…馬とかの足が早いモンスターを使役したいな」


『いれば便利ですが…』


『聞いた話だと、ダンジョンの最下層のモンスターを狩ってもグレイト以外使役されなかったのだろう?難しくないか?』


「そこなんだよなぁ…まぁ、それはあとで考えとくとして…そう言えば、2人は箱庭で何してるんだ?」


『鍛えてます』


『お互いと闘い合い、力をつけておるわ』


「そうなのか…って、なんか広い空間に出たな…」


広い空間に出ると、目の前にティラノサウルスみたいなモンスターが現れた。


「いや、絶対Fクラスのモンスターじゃない」


『ほう、グランドダッシュドラゴンか』


「グランドダッシュドラゴン?」


『地を駆ける竜だ。危険度はAであり、見た目に見合わず素早く動き獲物を喰らう。ついたあだ名は【血走りドラゴン】…そう、王国の図書館に書いてあったな』


「やっぱり…倒すか」


『えぇ、受付の方…ムギさんもダンジョンに絶対や安心はないと言っていましたからね…しかし、妙ですね』


「…攻撃してこない?」


俺がそう疑問に思っていると、グランドダッシュドラゴンは身を屈めた。


すると、


【グランドダッシュドラゴンを使役しますか】


と言う画面が現れた。

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