船に乗り、海賊を殲滅す

「いい風だなぁ…」


俺は今、船に乗っている。あの道は基本的にモンスターが出なかったが、盗賊は出た。アッシュ曰く、グローシア辺境区は船で行くしかなく、船は身分証は必要ないが金が必要らしい。そのため、盗賊を無力化しつつ盗んだ金を丁重に扱わせてもらうことになった。


えっ?やってることが悪どい?…仕方ないじゃん、金を稼ぐ案がなかったんだから。


で、今はグレイト達を箱庭に入れて自由気ままな船旅を満喫


「海賊だぁぁぁぁ!」


したかったなぁ…。そりゃあ、盗賊がいれば海賊もいるよね。


すると、海賊達が船に乗り込んできた。


「グレイト、どうしたらいい?」


『滅しましょう』


『盗賊と同じように無力化させればよいだろう』


「分かった」


俺はそう言うと叢雨の柄部分を持ち、近づいてきた海賊二人の腕を切り落とした。


「「ぎゃぁぁぁぁぁあ!?!?」」


「泣くなよ、お前らがやってきたことよりは幾分かマシだろ?」


『…やはり、マスターは何処かおかしいタイプですね』


『本当に異世界人か?あまりにも人を斬り慣れている…』


「いや、俺マジで普通に民間人だった身だから。まぁ、あっちの世界じゃあ俺はサイコパスなんだと思うよ…俺も分かってるし」


俺はそう言いながら乗り込んできた海賊達の腕や脚を切り落としつつ、倒していく。


「テメェ!許さn」

「うるさい」


船長だろうか、その男は俺に剣を振るってきた…が、そんなの師匠に比べれば遅すぎる。俺は船長の両腕を切り落とし、顎を蹴り上げた。


「助かったのか…?」


「えぇ、大丈夫ですか?」


「あぁ、ありがとう…君は冒険者かい?」


「いえ、冒険者になりたい者です」


「そうか…ならなんでこの船に…?」


「あー、ある人から約束されまして。そのためにグローシア辺境区まで」


「グローシア辺境区かぁ…あそこは危険だけど、君なら大丈夫そうだね」


「はい…とりあえず、彼らを縛りますね」


俺はこの船の船長にそう話しつつ、海賊を縛っていく。


「クソッ、このガキが!」


「ガキガキうるさいな、しばくぞ」


『主よ、容赦がないな』


「師匠が言ってたからな。目に見えてわかる悪は許すなって」


俺は鞘にしまった叢雨でガキしか言えない海賊の顎を殴ると、それ以降静かになった。


「根性ないなぁ…」


『というかマスターの師匠って何者なんですか』


「よく稽古って言って殺気ビンビンに放ちまくりながら木刀で斬ってくる人」


『…稽古ではないな、それは』


そうだな…と、俺は呟きながら海を見ていた。

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