脱出とこれから
あの後、グレイトからある魔法を聞かされた。それは、自身の使役したモンスターを入れておける空間魔法【箱庭】があるらしい。というか、漢字なんだな…と思ったら、漢字の魔法はこれだけらしい。
てことは、モンスターマスターって異世界人が多いのか?と思いつつやってみたら成功。しかも、山も海も草原もあるもはや大陸と言っても過言な世界だった。
グレイト曰く、本人の魔力量で変わるらしいから…うん、俺も俺でチートでした。
それを聞いた後、俺たちはダンジョンを上がりまくった。強そうな敵や凶悪な罠があったがなんとかなった。いや本当、【気配探知】様々だな。
そんなこんなで、地上に出ると夜中だった。人は誰もいない。
「なんとか出れた…」
「はい…マスター、この後はどうしますか?」
「あの国には帰らん。どうせ死んだ扱いされてるんだから…そうだ、冒険者になろうかな」
王道というかテンプレというか…でも、力のある俺にはそれが合ってる…かな?
「そうですね、あの国から離れてある場所で冒険者になりましょう…それのついでに、私もこの地上を知りたいですからね」
「そうだよなぁ…てか、グレイトって長生きなの?めっちゃ博識だけど?」
「まぁ、はい。ダンジョンではよく冒険者の遺留品が落ちてきますからそれを呼んでいたんです…でも、モンスターマスターの知識についてはマスターに斬られたあとに突然雪崩のように」
「あー、成る程…」
そう話し合いつつ、国から離れていく。
「ですが、マスターの親友などはどうするのですか?」
「悪いようには扱わないはずだし、国を敵にしたくない」
「ふむ、私の力なら出来ますが…」
「やめてくれ…」
ーー
「どういうことよ!龍馬!」
「さっき言った通りだ…剛の奴ら、あいつをダンジョンの最下層に落としやがったらしい」
「ッ!助けに行かないと!」
「無理だ生徒会長!ダンジョン最下層は未知の領域だって団長さんが言ってただろ!」
「そんな…」
異世界転移されたクラスの一人、明道 龍馬とそのクラスの生徒会長の葉山 雫は話し合っている。彼らは隼人の数少ない親友であり、龍馬は【剣士】、雫は【聖女】の職業である。
そんな彼らは、【勇者】の職業を持つ長道 剛によって隼人が最下層に落とされたと聞き、絶望していた。最下層は、未だに未知の領域であり、生還した者はいない。それを知っているからこそ、二人は絶望していた。
剛本人は隼人が死んだと確信して笑っているが…彼らは知らない。隼人がチートと化していることを…そして、いずれ彼らの前に現れることを。
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