第9話
「で、一体どれぐらいアルコールを摂取したんですか?」
やっとの思いで救急車を呼んで、病院へと搬送されたウリアゲンジャーのブラックと一行。
ベロンベロンになってるブルーを置いて行く訳にも行かず、仕方なく救急車に乗せたまでは良かったが、搬送中にゲОを吐きまくりホワイトは怒りに体を震わせて居たのだった。
「どの位と聞かれても……私は遅れて到着したから分かりません!」
恐らく急性アルコール中毒だと言う医師に、ホワイト白石は事の重大さに気付いたのであった。
しかし、良く見れば結構なイケメン医師。ホワイト白石は結婚の相手にこれ以上ふさわしい者は居ないと、自分を売り込もうと必死になる。
「あの、先生は独身ですか?」
ずいっと膝を進めシナを作るも、如何せんウリアゲンジャースーツを着たホワイト白石は只の、コスプレマニア。ドクター赤月慶吾の視点からは、変な女としか映らない。
「私ですか? 独身ですが、何か?」
「まぁ! そうなんですか」
ホワイト白石は勝利を確信した。
「今の所ですがね、婚約してるもので……」
ホワイト白石の賢さが10下がった。
「残念ですが、私は外科医なので手術出来ない患者にはサッパリ興味が湧かないのですよ」
と言いつつ、ドクター赤月慶吾は去って行ったのだった。
替わりに来た内科医の先生は、齢七十近いご老体。ホワイト白石は、又してもスーツの裾を引き絞りくやしがったのである。
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