第2話
『今夜辺りヤバそうだ、デートは明日にしろ』
文字を打ち込み送信ボタンを押す。すると、真後ろからゴーストバスターズのテーマ曲が流れてきて、私のカップが置かれた。
「ああ、白石さんありがとう」
そ知らぬ振りで、彼女からコーヒーを受け取る。彼女は入社二年目の二十二歳で素晴らしいプロポーションの持ち主だ。
着信音で誰からメールが来たか分るのか、ウンザリした顔でお盆を持ち、皆に飲み物を配り終えると、自分の席に帰って行った。
程なく彼女から返信があった。
『デートの予定は無い。余計なお世話(`ヘ´)』と書いてあった。
どうやら彼氏と喧嘩中らしい。女の怒りに弱い私は少しションボリしていた。
「おはよう~ス!」
黒岩君の元気な声が聞こえたかと思うと、ドアをバタンと勢いよく開け巨大な体が入って来た。
「黒岩くん! 何時も言ってるでしょ。入る時は静かにって」
白石さんが、黒岩君を睨みつけ早く座りなさいと言わんばかりに、デスクに向けてお盆を付き出した。
「そんな怖い顔しないで下さいよ~白石さん」
この、お調子者の黒岩は今年入社のやっぱり二十二歳だ。だけど先に入社した白石さんが先輩の為、学生時代に柔道をしていた彼は上下関係の礼は外さない。
彼女の怒りに触れて、素直に自分のデスクに窮屈そうに座る。
柔道をやってただけあって、立派な体格に、顔はにこやかで好男子と云うのがピッタリだ。
そして、顔はまだ出てないが緑川を入れた五人は、人知れず日本――それも、私達の守備範囲のみを守る。
―企業戦士―ウリアゲンジャーのメンバーなのである。
何故に、一番冴えない私がリーダーなのか? それは次の回で明かす事にしょう……
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