第4話 特別指導 1

そして、適正があり、尚且つ属性持ちであるなら、俺のクラスに残留するか、娘達のクラスにそれぞれ移動して講義を受ける事となる。

当然、娘達のクラスには実践がある。


俺のクラスだけは、いろんな意味で特例なだけだ。


よって、俺のクラスでは、実力は把握できないので、定期的にデモストレーションという形で披露してもらう事にしている。

属性が属性なだけに、かなり派手なデモストレーションになるのだが、そこはご愛嬌だ。


で、そのサオリの転生先は、悪魔に支配され、全世界が悪意と殺意に満ち溢れたどうしようもない腐り切った世界。

もはや第二の悪魔界と言っても良い。


そこへ、魔王となって腐り切った世界を破壊と混沌に陥れ、悪魔の支配下から世界を解き放ち、逆に清く正しく美しい世界に戻すという、達成難易度SSSの超難関世界だ。


当然、属性として、サオリは俺の担当。

その俺から見ても、おとなしく真面目なサオリに向いている転生先とは思えない。

謎だ。


しかし、転生者は、ここに来た時点で転生先も転生種族も決まっており、履歴書的な1枚の紙に、転生先や転生種族、目的などが記載されて、それを持って学校に姿を現す。

俺が決めているわけではない。


先程、スライム予定の…。

あー!めんどくさい!

モブスラでいいや!


そのモブスラが言っていたプロフィール云々というのが、この履歴書的な一枚の紙を指している。俺がやる事といえば、転生先でしそうな転生者を、その世界に適した生徒と入れ替えて世界を正しい方向へ導き、入れ替えた闇落ちしそうな奴を再教育し直すぐらいだ。


入れ替えが間に合わず、新規投入なんて事もたまにある。

新規投入をしなければ、悪魔が増長し、更なる腐りに拍車をかける事になる。

それこそ、悪魔族が歓喜する世界になってしまう。


サオリには是非頑張ってもらいたい…と切実に願う。


「ごめんごめん。特別指導の音が気になってね」

嘘である。

「嘘ですね」

速攻バレた。


「先生は嘘がつけない人だと思います。顔に出ますし」

図星である。


俺は、それをごまかすように、サオリに何気ない会話を試みた。

「サオリって特別指導受けた事ないよね?」

(これも顔に出てるんだろうなぁ)

「そんなに焦らなくてもいいですよ先生。はい、無いですね」

ほらね。


「特別指導、間近で見てみるか?これも授業の一環だし」

「え?いいんですか?」

「なんなら、能力テストがてら指導側になってもいいぞ」

「え?! ソレ、やりたいです!」


俺の思いつき発言に、力強い即答が返ってきた。


☆☆☆


ズッドォォーーン!

ドッシャーーン!

バッゴォォーーン!


「オラオラァーー!まだまだぁー!」

「「ひぃーーー!」」

「逃げるな!臆病者!ご主人様に偉そうにしていた勢いはどうしたぁー!」


ドドドドォォーー!


「「ふざけんなぁー!俺は転生して無双してぇーだけなんだよぉーー!」」

「なら、我に一撃でも入れてみせよ!」


俺とサオリは、早速ドームに足を運んだわけだが、今回はすごい事になっている。

「すごーい!」

ほんとにね。


そこでは、9vs9のチーム戦、バトルロワイヤル指導が行われていた。


先程、一人称を 我 と言っていた女が、今回の特別指導を担当している嫁、龍神りゅうしんユウキと、その眷族である竜神りゅうじん

ユウキは、俺の2人目の嫁である。


目は切れ長でまつ毛が長い。

ツケマはいらないレベル。

瞳は金色で、爬虫類独特の縦筋瞳孔。

髪は鮮やかな赤、腰まである長い髪を先端でピンクのリボンを使ってまとめた簡素なヘアスタイル。

服装は、左右両側、ヘソのあたりからスリットの入った真っ赤なチャイナドレス風戦闘服。

龍神なだけに、チャイナドレスの模様は全身に所狭しと、龍が金色の糸で刺繍されている。

まさに、ザ•キング•オブ•チャイナドレスという出立ちだ。


ヘアスタイルを左右お団子ヘアにしたら、になる可能性がある。

…が、本来、お団子ヘアができるであろう場所に、左右共、金色のツノが生えているので、お団子ヘアにはできないと思う。

胸は控えめだが、綺麗な膨らみ方をしている。

スリットからチラチラ見える、太ももあたりで途切れている、黒く細かい網目の編みタイツが艶っぽさを際立たせていた。

赤いエナメル調のピンヒールで動き回る器用さには、いつも感心させられる。

しかし、あまり見すぎると目がチカチカする。

ぱっと見、赤と金のオンパレードだからだ。

おっと、これは内緒。


全身筋肉質だが、胸は見た目よりも、結構柔らかい。

コホン

つまり、いい女って事だ。


後の8人は竜神りゅうじん、ユウキの眷族神達だ。

眷族神は竜神りゅうじん龍神りゅうしんよりも格は落ちるが、それでも、れっきとした神である。

総勢、似たような眷族神が500人ほど居るらしい。

竜種は繁殖率が低いため、竜種から龍種へ、龍種から昇天して竜神へ、竜神から昇神しょうじんして龍神りゅうしんになる者が極端に少ない。

その中で、ここにいるメンバー以外は、あちこちの次元で、あるいは、あちこちの世界で、それぞれがそれぞれの役割を分担して色々な加護を与える仕事をし、世界を守護している。

ここにいるメンバーは、その中で、いわば選りすぐりの精鋭部隊。

選ばれた竜神達だ。


全員、髪型はポニーテール、ツインテール、ショートカット、と様々だが、髪色は黒に水色のメッシュがまばらに入っていて、額にシルバーの一本角が生えている という特徴は皆同じである。

服装も、黒を基調に銀色で竜の刺繍が施されている短いカンフースタイル(?)

そんな感じの戦闘服、靴はそれぞれブーツだったりヒールだったり、まちまちなので、いちいち気にしてはいない。

胸も大きさはまちまちなので、特に言う事はないが、とりあえず、精鋭部隊は全員、おいしく

言い間違いではない。

食べました ではなく、食べさせられました だ。


これは俺にとって、もはや作業なのだ。

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