第2話 予備校の校長登場!その名は…。
キンコンカーンコーン♩
『あー、テステス。妾じゃ!天魔殿、至急、生徒100人をほったらかしにして、校長室まで来る様に!以上じゃ!』
コンカンコーンキーン♩
(なんだ?今、俺の独壇場だったのに!)
俺が気持ちよく解説してるうちに、何を思ったのか、名指しで校長から呼び出しを食らった。
確かに生徒は100人いるが、俺は今、何もしてねーよ!
とは言えない。
校長はとても怖いのだ。
何をしてたかと言うと、まぁ、校庭を歩いてただけなのだが…。
まぁ、呼び出しを食らっても文句は言えない立場にはある。
だが、俺にだって言い分はある!
今、俺が担当している生徒が1人もいないのだ!
な?
仕方ないだろ?
「しゃーねーなぁ…」
俺はそう呟き、瞬間移動を…
って、やらねーよ!
碌な内容ではない気がするから、歩いて行こう!
うん、そうしよう!
ワッハッハ!
ボワン…。
内心で高笑いをしていた俺の目の前に、忽然と現れた白く光った異空間への入り口。
アニメとかである、黒かったり光り輝いていたりする渦状の入り口…そう、今、頭をよぎったソレだ。
そこから伸びてくる、艶やかな白い肌の細く長い…腕…?
その黒い爪は何とかならんのか?
じゃねー!
「何をしておるのじゃ!はよおいでや!」
そのセリフの主は、先程の放送から聞こえた声。
そう、それは校長の腕であった。
俺は逃げる間もなく、その白い腕、もとい、黒いマニキュアをした校長にアイアンクローをぶちかまされ、異空間の扉へと引きずり込まれてしまった。
☆☆☆
異空間に引き摺り込まれて、出た先は校長室。
まぁ、想定内である。
「さて、何用でここに呼ばれたか、わかるかの?」
「いや、知らんし」
我ながら全うな返答である。
「それでは質問を変えるのじゃ」
「どんと来いや!」
俺に落ち度はない!
予備校の存在意義を語っただけだ。
そこに落ち度があるはずがない。
そして、校長から放たれた一言。
「妾は何じゃ?」
「予備校の校長…」
正論である。
しかし、反応は違ったようだ。
おでこに怒りマークが出ている。
「妾の…スゥーー」
これは、どう考えてもオコである。
しかも、深呼吸をしている。
校長が深呼吸をする時…それは、息継ぎ無しで、早口で捲し立てる合図なのである。
さぁ、校長が何を言い出すのか…俺は早口であっても、普通に聞き取れるが、皆さんはどうだろう。
いよいよ早口(おそらくは説教)の始まりである。
覚悟して聞いてみようじゃないか…。
☆☆☆
「まず天魔殿が言っていた神々と妾達の違いを説明せねばなるまい妾達も神なのじゃぞ道楽で神をやり道楽で人間に加護を与えている振りをし神は暇だとのたまう輩と世界のすべてを守護し加護を授け生きとし生けるものの命を紡ぐ妾達を同じに考えられては不愉快なのじゃあやつらは敵生きとし生けるものにも悪は居るがそれはそれ悪は裁かれねばならぬ魔が悪ではない私利私欲で害を成すものが悪なのじゃそれを道楽で人間を異世界に送りこみ世界平和を謳って転生者を撒き散らしてのうのうと高みの見物を決め込んでいる奴らじゃあやつらは悪ここに来る転生者予備軍を育成し道楽で異世界を混沌とさせている道楽転生者を排除するのが目的なのじゃそれをドヤ顔で予備校の存在意義だけ語ってどうする妾が次元神である事天魔殿が妾の夫であり唯一無二のイカれた存在である事をまずは説明するのが筋であろうが!…フゥ…」
ようやく終わったようである。
ぶっちゃけ長い。
俺の話、聞いてなかったのか?って気分になるわ!
ま、簡潔に整理するとこうなる。
①現在、異世界に居る転生者、召喚者はエセ神によって送られている。
道楽のために。
③生きとし生けるものが住まうために必要な加護は一切与えない、守護もしない。
つまり、雑草一本すら生やす事をしないという事だ。
④世界を守護しているのは我々、エセではない神々である。
そして、エセ神は我々にとって明確な悪。
邪魔な存在なのだ。
⑤校長は次元神という、亜空間、時空を司る神であり、俺の嫁。
言ったけどな。
念のためだ。
⑥そして俺は唯一無二のイカれた…って、うるせーよ!
まぁ、そんなところだ。
だから、エセ神に世界を救う
実にクズの極みである。
ちなみに、神にはそもそも名前はない。
〇〇神というのが正式名称である。
女神〇〇とか、最初から名前のある神は、すべてエセ神なのだ。
勉強になっただろ?
しかし、俺の嫁であり、予備校の校長である妾さんにも名前はある。
元は次元神という呼び名だったが、俺が命名した。
理由は簡単…呼びにくいからだ。
適当?
知らねーよ!そんな事。
その名を『次元神アイ』という。
俺が嫁にした最初の女神である。
名前の由来は…まぁ、そのうちわかる。
フッ…。
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