第1話 転生者予備校って何?
俺の名前は天魔。
見た目年齢は20歳ぐらいで止まっている。
赤ちゃんから始まり100年。
歴史は凄まじい勢いで様変わりした。
しかし、俺自身は…というと、ようやく20歳になったと思ったのも束の間、そこから成長が止まってしまったのだ。
まぁ、それは良い。
特に困っていないしな。
ちなみに苗字もない、生まれた時から無い。
無いもんは無い。
これも困っていないので問題無し。
よって、それらには、いろいろと事情があるのだが、今は特に問題視する必要はなく、説明する必要もないという事だ。
説明しなければいけない内容…つまり、重大な問題は、赤ちゃんスタートだったはずのゲーム設定は、ほとんど意味がなく、ゲームオーバー云々という設定自体をまったく気にする必要がなかった事だ。
最初、もったいつけたような、いかにも重要事項だと匂わせていた抑揚のない音声から始まった俺の人生は、5歳あたりまで、まーったく、何の意味もない、ただのヒヤヒヤタイムだったのだ。
クソが!
これが、
でだ。
5歳から現在に至るまでをすっ飛ばし、今の俺が何をしているか…というと
何故か 予備校の講師 をしている。
しかも、転生者予備軍を指導するたの予備校講師だそうだ。
転生者…そう、異世界を夢見るお年頃なら、実に胸ワクな響きなわけだが、実際はそうではない。
いや、まて。
予備軍本人達的には胸ワクか…。
俺個人的には、胸ワクどころか
ちょーめんどくせー!!
ってのが本音なのだが…。
しかし、めんどくさいからと言って、逃れる
何故なら、これは俺にとっては、ほぼ強制であり、狂った異世界を正す、1番の近道らしいからなのだ。
それは、俺の出生、能力、立ち位置に起因し、異世界における神という定義を覆す大仕事(?)にも関係してくる。
更に、先程述べた、ゲームオーバーを気にする必要がなかったにも繋がる事柄であり、転生者予備校という奇天烈な学習施設を創設した女神による壮大な異世界改革となるからだ。
俺に、やるやらないを決める選択肢はない。
しかし、俺はその考えに賛同し、自らの意思で、コツコツと業務をこなしているから、完全に無理矢理ではなくほぼ強制という表現になる。
俺が、やりたいようにやるなら
ガーっと行って、ドーンとやって、バーっと終わらせて終了
って事になるのだが、そうはいかないらしい。
ちょーめんどくさい!
☆☆☆
ドッカァァーーン!
種族カテゴリーは一応 悪魔 に該当するらしい。
バキィィーー!
コホン
自己紹介はこれぐらいにしておこう。
え?
仮想現実でのゲーム?
あぁ、ネタバレすると、あれはゲームじゃなかったんだよ。
今はくだらない結末だった、とだけ言っておこう。
地球にはしばらく居たがな。
俺の知識は、地球の日本から得た知識がメインであり、俺は人間ではないが、中身は日本人だと思ってもらっても良い。
当然、80年の天寿を全うする事もなかった。
あんな設定、早々に
ハッハッハ
コホン
本題だ。
転生者予備校は、亜空間の中にある。
そして俺は、その亜空間の一角を利用し開校した予備校の講師になっている。
でだ。
何故、この学校が亜空間にあるかと思うだろうが、それはここがアイと言う名の、校長が次元神であり、亜空間や異次元という概念の領域を司る、次元神のテリトリーだからだ。
まぁ、場所を提供してもらっているに過ぎない。
名前をアイという。
ちなみに、なぜか俺の嫁さんだ。
てなわけで、当然、嫁のテリトリーは俺のテリトリーでもあり、提供という表現が合っているかどうかはよくわからない。
まぁ、そんな事は
気にするな。
ボッコォォーーン!
まぁ、簡単に言えば、異世界に転生する者を、強制的に途中下車してもらっているから亜空間に予備校が存在するというわけだ。
異世界への転生、転移、召喚
異世界での転移、召喚、アイテムBOX的収納機能、個人的に作られる亜空間領域…。
これらすべては、ここの亜空間を利用して成り立っているのだ。
転生、転移は、丸い輪っかや四角い枠が現れては消え、消えては現れる。
亜空間収納、個人の亜空間領域は、こちらから見ると、丸い球体や四角い立方体に見える。
まぁ、空間を無料で貸し出しをしている…とでも言おうか。
それらは、次元神の権限が働いているから、もちろん、亜空間自体を使用不可にする事だってできる。
しかし、善良な異世界人もいるから、滅多な事では使用不可にはしない。
魔法文明の
少なくとも俺たちは。
ただ、点滅するように現れたり消えたりする転移系の枠や、収納、個人形成空間は、こちらからしたら、とても
予備校の外観や亜空間の中については、今は置いておく。
中身の話だ…今は。
さて、学校という限り、1人で運営できないのは誰にでもわかる事だが、ここは特殊な学校であり、運営側も特殊なため、軽く紹介しなければいけない。
俺と校長の次元神アイ以外に、特別指導員として、同じく嫁の
ちなみに、眷族も全員女だ。
しかし訳あって、結構、激アツな連中になってしまっている。
現在は、
俺は知らん!
好きにしてくれ!
…って感じだ。
俺以外の講師としては、5人の娘達がそれぞれの属性を担当し、クラスを受け持ち、転生者を教育している。
長女、水神レイナ
次女、炎神ミホ
三女、雷神カナデ
四女で双子の姉、風神マオ
五女で双子の妹、大地神ミユ
こうしたテンプレ属性の娘達だ。
俺は全属性持ちなのだが、上記の属性は軽くしか使えない。
その属性で破壊できるのは、地球基準なら、せいぜい魔法ひとつで、大陸をすべて破壊尽くす程度である。
娘達は、魔法ひとつで銀河系を消滅させられる。
これぐらいの差がある。
俺は、そんなテンプレ属性を僅かしか使えない変わりに、破壊と創造の神格と、闇と光の属性、この2つで一対となる神格と属性はフルに残してある。
後の5つは、それぞれ娘達を構成するために分離された神格、属性ゆえ、俺が使える5つの力は、いわば残りカスみたいなものだ。
さて、ここまで言えば分かるだろう。
俺には、嫁が5人、娘が5人居る…と言う事を。
ハーレムだ?
バカを言うな。
ハーレムなんて、
ズガガガガァァァーー!
と、謎の爆音はまだまだ続く。
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