第5話 満足した後は......

「ああ、美味しかった~!満足、満足!」


「良かった~、千鶴子がこんなに元気になってくれて!」


 このレストランへ連れて来た甲斐が有ったと実感した容子。


「もう、元気元気!太志の事なんて、すっかり葬り去ったわ!」


「そうそう、早く立ち直って、新しい出逢いを探さないとね!」


 そう言いながらも、次に千鶴子の口から出て来る言葉を薄々予感している容子。


「うん、それなんだけどね......マスターって、独身?彼女とかいるの?あんな素敵な人だから、いても当然とは思うんだけどね......」


 やはり、そう来ると思っていた容子。


「マスターは、独身で今は募集中だったはず」


 容子の言葉で、目を輝かした千鶴子。


「そうなの?私、しばらく、このレストランに通って、チャンスを待とうかな?失恋して、急に次の恋に急ぐのは、何となく、私が移り気な人間みたいでひんしゅくだから、もう少し期間おかないとね!」


「うん、そうよね。マスターは人気者だから、しばらくお店に通ってみて、色々観察してから、結論出した方がいいと思う」


 失恋後すぐにモーションをかけるわけではなく、慎重に行動する事を選んだ千鶴子に強く賛成した容子。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る