第20話 ミスティア、王城で決意する

王城に行くにはやっぱり7賢者の服を着ていかなければならないだろう。

幸い、その服は一応持ってきていたので大丈夫そうだった。

まあ、流石に7賢者に対して失礼な物言いをする人もいないだろう。

そう思い、ミスティアはすぐにヴィルフィールのところに転移する。


「お待たせー。さあ、早く行きましょう。面倒ごとはすぐに片付けて寝たい!」

「相変わらずブレませんね。ミスティアは…」


そう言って、すぐにヴィルフィールは転移した。


「相変わらず急だね…ヴィル」

「仕方ないでしょう。さっさと行こうと言ったのはミスティアですし」

「くっ、本当にその通りだから何も反論できないっ……!」


悔しがるミスティアを置いて、ヴィルフィールはスタスタと王城の廊下を歩いて行く。

ミスティアは遅れたら流石に大変なことになりそうだと思い、素直にヴィルフィールについて行くことにした。


やはりどこの王城も、権力を主張するために豪華にしなければならないらしい。

つくづく面倒くさい生き物だと思うミスティアだった。

そして、そんなことを考えている間に、もう大広間の前についてしまっていた。

少し早すぎないか?と思いつつも、ミスティアはその中へ入る前にフードをしっかり被る。これで顔がバレる危険性は少なくなるはずだ。


「ヴィル、行こうか」

「そうですね。ミスティア。…やりすぎないでくださいね?」

「善処する!!」


そうこう話しているうちに、二人の名前が呼ばれる。


「7賢者序列一位、ヴィルフィール・グリード公爵閣下。そして、7賢者序列四位、ミスティア・スロウス公爵閣下!!」




「絶対に私は、権力に屈しない」



ミスティアは、そう誓って一歩、足を踏み出した。

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