第18話 ミスティア、面倒ごとの予感がする

ミスティアはいつも昼の1時に起きる。他の7賢者は寝坊だと怒るが、ミスティアは仮にも怠惰の賢者なので仕方ない。

そう思い起きると、ヴィルフィールはやはり起きていた。

ヴィルフィールは7賢者の中でも特に仕事中毒者ワーカーホリックだったので睡眠はいつも三時間ほどしか取らないと聞いた。

その話を聞いた時、いつかぶっ倒れそうだとミスティアは思った。


「おはよう。ヴィル。朝食は?今日は何って言ってた?」

「もうおはようの時間じゃないですよ。今日は食堂は休みでしょう」

「あ、そうだった。じゃあ、何か買いに行くかー」


ミスティアはそのまま、宿を出て露店の食事を買って宿に戻る。

お気に入りのアップルティーを淹れてそれと一緒にサンドイッチを食べる。


「ごちそうさまでした。……あ。ヴィル、ギルドから手紙来てない?昨日ギルド長にお茶会に誘われたんだけど」

「ああ、その手紙なら来てましたよ。そこに置いてあります。……あと、面倒くさそうな手紙も来ていましたが」

「面倒くさそうな手紙?何それ?」


仕事中毒者であるヴィルフィールがそういうのであれば、かなり面倒くさいことなのだろう。

だが、私には関係がないと思ったミスティアだったが、自らにも関係のあることだとは、思いもしなかった。

そして、それが本当に面倒くさいことだということだということも、ミスティアは知らなかった。

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