第14話 ミスティアとヴィルフィール、王都へ行く

空を飛んでしばらくすると、ちょうど良さそうな街が見えてきた。

さっきいた街よりも活気のありそうな街で、広いので多分ここが王都と呼ばれる場所なのだろう。


「ねえ、あれって王都……よね」

「まあ、そうでしょうね。王城もあるようですし。……しかし、あまり王城は人がいないようです」

「確かにね」


その街はおそらく王都だろう。

だが、中心にある王城はあまり人がいないように見える。

ミスティアたちは空で見ていてもよくわからないのため、地面に降りてみることにした。


「やっぱり王都ってだけあって賑わってるわよね〜。あ!あそこに美味しそうな肉串発見!食べましょうよ!他にも美味しそうなものあるし!」

「そうですねえ。昼食がまだですし、なんなら私朝食すら食べてないですし」

「それは一大事だわ」


魔導師であるミスティアやヴィルフィールは、結構燃費が悪い。

ミスティアたち魔導師がスタイルがいいのは魔法を日頃から使っているおかげだ。ただ、その代わり多く食事を取らなければならないのだ。

食べなければ死ぬ。嘘などではない。栄養失調で死ぬのだ。


「よく朝食を食べずに生きていられたわねえ」

「そりゃあ私は魔導師の中でも少食ですから。私は燃費の良い魔法の使い方を知っているだけです。ですが、ミスティは私より燃費が悪いでしょう?だから必然的に三食取らないと確実に栄養失調に陥るわけですが」

「あー。今はそんなことどうでもいいの!!とにかく食べるんだから!」


ミスティアがそう宣言すると、ヴィルフィールは苦笑して「そうですね」と頷いたのだった。


____________________



「美味しかったわね!いくらでも食べられそうだったわ、あの肉串。でもやっぱりあそこの店で売っていたサンドイッチのような感じのアレが美味しかったわ!また食べられたらいいわねぇ」

「そうですね。ここを拠点とするならまた食べられると思いますが……」


一瞬、ここに拠点を構えようかと考えたミスティアだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る