第二章 隣国の面倒ごと

第13話 ミスティアとヴィルフィール、街から出る

とりあえず、拠点を決めるためには大事だと思うのでヴィルフィールに冒険者登録をすることをしてもらうことにした。


「とりあえず、冒険者登録したほうがいいわよね」

「まあ、そうですね。身分証でしょう?それ」

「身分証はないと困るもの」


そんな会話をしながら冒険者ギルドに行く。

扉を開け、受付のカウンターに行くと、受付の人が少し驚いたような顔をして慌てて私に「ご用件はなんですか?」と聞いてくる。

おそらくヴィルフィールの顔に驚いたのだろう。

彼は忘れていたが美形なため、街でも目を引いていた。


「彼の冒険者登録をしたいの」

「私の冒険者登録に彼女は付き添ってくれたんです」

「だから、彼のことお願いします」


そう言うと、受付の人は

「かしこまりました」

と言ってヴィルフィールに色々と説明している。

私はその間に色々と依頼を見ていた。

どれも面白そうだが、すぐに去るのでまあ仕方ないだろう。


しばらくすると、ヴィルフィールは登録を終えたようで、新しいカードを持っている。


「無事に登録できたみたいね」

「そうですね。では、早速この街を出ましょうか」


あまり滞在はしなかったが、いい街だったと思う。

だが、ここはあまりにも出てきた国に近いため、あまり滞在するのはよろしくない。見つかってしまう確率が高くなってしまう。


「じゃあ、早速行く?飛行魔法を使うわよね?」

「そうですね。飛行魔法を使いましょうか。召喚獣に乗るのもいいですが、やっぱり自分で飛んだほうが早いですからね」


全くその通りである。

召喚獣はあくまでペットとしての枠であり、召喚獣もそのことを認めている。

なにせ、ミスティアとヴィルフィールは人間であり人間ではないようなものであり、召喚獣よりはるかに強いからである。


ミスティアの召喚獣はSSSランク級の召喚獣であるフェンリルで、ヴィルフィールの召喚獣はSSSランク級の召喚獣のドラゴンだ。

二匹は強いが、ミスティアたちには遠く及ばない。


やはり、ミスティアたち7賢者の名は伊達ではない。


「飛びましょう。ヴィル」

「そうですねえ。……飛びましょうか」


そう言って、二人は青い空へと飛び立った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る