第10話 ミスティア、自分の耳を疑う

とにかく、今はヴィルフィールを追い払いたいのだ。

何事もなかったのかのように帰って欲しい。

そして私のことも忘れて欲しい。


「ヴィルフィール、いい加減帰ってくれない?あと、帰っても私のこと絶対話さないでよ!?」

「話しませんよ……。そんな簡単な約束事も守れない男だと思われています??私、一応契約魔法使えるので」

「あんたの契約魔法は魔力まで縛るからね……」


ヴィルフィールは帰るようだ。

ミスティアは、少し安堵した。だが、その安堵はすぐに消え去った。


「ミスティアについていきますから」


ヴィルフィールはいい笑顔だった。

非常にいい笑顔だった。


「嫌だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「なんでですか。ミスティア」


もう嫌だ。と、切実に思ったミスティアだった。

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