第6話 ミスティア、焦る

そうして、冒険者ギルドについたミスティアは、まず初めに謝った。


「ごめん!私歩くの嫌いだから、四人の言っている場所を特定して転移しちゃったの!驚かせてホントにごめん!」


そう捲し立てると、四人は唖然とした表情でミスティアを見ている。

ミスティアは、居心地がなんとなく悪くなり、冒険者ギルドの中に入ろうとしたが、止められてしまった。

そして、リーダーのガルムから出てきた言葉に、耳を疑った。


「な、なんで転移魔法が使えるんだ!?」



「っえ?」



そう、ミスティアは平然と転移魔法を使っているが、普通の庶民には転移魔法をするほどの魔力がない。

しかも、転移魔法の魔法陣は書くことが難しく、使えるものはほとんどいなかった。

いたとしても、それはSSSランクの冒険者だけだった。

そんな大魔法を、ポンと目の前で使われてしまった上、自らも体験してしまったので、驚いているのだ。

ミスティアは訳がわからずにポカンとしているが。


「え?転移魔法は魔力さえあれば簡単に発動できるよ!?そんなにすごいことじゃな……」

「すごいことだ!転移魔法は冒険者でも使える人はほとんどいない!……ミスティア、お前、何者なんだ…?」


まさか、こんなにすぐに強いことがバレるとは思わなかったため、ミスティアは焦る。どうにかしてこの追求を逃れようと考える。


「……ごめんね?………それは、言えないなあ」

「なんでだ?俺たちが出会ってすぐだからか!?」

「そうだよ。私は簡単に人を信用したりしない。……もう二度と、あんなことは起きないで欲しいから」


ミスティアの真面目な声に、ガルムは追求をやめた。

そうして、ミスティアはすぐに声を切り替えた。


「じゃあ、冒険者ギルドで登録してくるね!短い間だったけど、本当にありがとうね!」

「あ、ああ」


そうして、ミスティアは冒険者ギルドの中へと足を運んだ。

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