第2話 ミスティア、国から出る

「そうと決まれば即行動よね」


そういうと、ミスティアは国から出る準備を始める。

もともと必要最低限のものしか持っていなかったため、荷物は楽にまとめることができた。が、


問題は、お金である。

他国と同じ通貨を使っているため、すぐに使うことができるが、問題はそこじゃない。


どうやって溜まりすぎたお金を消費するかだ。


ミスティアは全くお金を使っていない。

人間が一番お金がかかるという食事でも、ミスティアは空気を食べるので必要も需要もない。

何故なら、王宮魔導師になった頃に自らの体はほぼ魔素で構成するように作り替えたため、食べ物は食べずに生きていけるのだ。

しかも、魔道具を作るために必要な魔石などは全て、自前で調達している。

魔物を狩りに行ったり、時には自分で作る時もあった。

そのため、余りに余っているのだ。

一応自分の空間において置けるのだが、それでも容量の半分はお金でいっぱいになってしまった。

他国に行ってすぐに使おうと思う。


「こんなもんか。……私は今日、ミスティア・ミッドナイトじゃなくなる。ここから出たら、ただのミスティアだ」


ミスティアは、これからの生活に胸を弾ませた。

こうして、ミスティアは空へ飛び上がった。

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