第13話
夏川の家に行った次の日、俺は普通に学校に登校し授業を真面目に受けていた。
この授業は世界史Aで非常に面白い。
俺は勉強はあまり得意ではないが、英語と社会、特に世界史や公民系の科目は好きである。だからこの通り社会や英語の授業は真面目に受けている。しかしテストになるとあまり点数が取れないというのがネックであるが…この際それは考えないようにしよう。
授業が終わり昼食休みに入った。
俺は冬月となんの変哲もない話をしながら昼食をとり、時間が少し余ったので軽く校内探索をしに向かった。
「ここは2年生の教室がある階か。」
適当にぶらぶらまわっていたら、2年生の階に来てしまったようだ。
俺たちより1年長くこの高校で学校生活をしているだけあってやはりみんな慣れている感じだった。
たった1つ、2つしか変わらないはずなのに高校の先輩ってなんでこんな大人に見えてしまうのかな?
俺がそんなことを思いながら、歩いていると後ろがやけに賑やかなことに気がついた。
振り向いて見てみると、2人の女の先輩が歩いているのが見えた。
どうやらこの2人が注目を浴びているようだ。
特に注目を浴びている人は左側を歩いている長髪の先輩だ。
綺麗に整えられている長い髪に、目鼻立ちも整っている顔立ち、周りの人たちから注目されていても気にせず行動している優雅な立ち居振る舞い、例えるならアニメの世界にいる気高きお嬢様って感じの人だ。
あんな人現実にいるんだな。
たしかにめっちゃ綺麗な人だ。てか隣の人も負けず劣らずの綺麗な人なのに長髪の人が凄すぎて陰に隠れている感じだ。
すると昼休み終了の知らせのチャイムが鳴った。これは授業開始5分前の知らせでもあるので俺は急いで教室に戻ることにした。
その時に後ろから2人の先輩に注目していた生徒の声が聞こえてきた。
「相変わらず美波さんは綺麗な人だよねー」
「だよねー、てか今度の生徒会選挙も間違いなく美波さんが生徒会長で決定だよねー」
〜〜〜〜
今日の授業は全て終わって放課後になった。
俺は委員長のところに行って話しかけた。
「委員長、今日用事がないんだったら今から夏川の家まで一緒に帰らないか?」
「あなた、今日も夏川君の家に行くつもりなの?」
「ああ!また来るって太一君や夏川にも言ったしな。」
俺がそう言うと、委員長は呆れた様子で俺を見ていた。
「まぁ、一緒に帰るぐらいなら別に構わないわ」
「おう!てかよかったら帰り道で夏川の趣味とか好きな物を教えてくれないか?」
「どうして?」
「少しでも夏川の事を知っていたら昨日よりは会話が弾むかもしれないしな。」
そんな会話をしながら俺たちは学校を出て下校するのであった。
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