第2.5話
4月6日
今日は僕が入学するはずの百合ヶ丘第三高校の入学式である。
本来ならみんな新生活に期待と不安を募らせながら新しい学校に行くのかもしれない。
「僕が学校に行ったところで仕方ないよな」
時計を見ると時刻は7時になっていた。
ちょうど眠くなる頃合いである。
昼夜逆転生活をしていると日が昇ってきてみんなが起きて活動するあたりに非常に眠くなってしまう。
ベットについて寝ようと考えていた時下の階から声が聞こえてきた。
「聡太〜、リビングに朝ごはん用意しといたからお腹が空いたら食べなさい。
お母さんもうお仕事に行かないといけないから。」
「お母さん…仕事が忙しいのにわざわざご飯作ってくれたのか。」
僕は母には絶対聞こえないよう小さな声で言った。
「それと今日から高校生なんだからさすがにちゃんと学校には行きなさいよ。」
最後に母はそう言い残し会社に向かった。
家の中には僕以外誰も居なくなった。
少し小腹が空いていたのでリビングに行きお母さんが作ってくれた朝ごはんを食べた。
食べたお皿を洗い、部屋に戻った。
「ごめんね、お父さん、お母さん
こんなダメな子供で」
小さくつぶやいたその声は誰も聞くことのない彼の悲痛な叫びであった。
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