第6話 出来事の裏には

「ただいま」

秋次は家に帰ってきたが普段よりかなり遅くなってしまった。


「帰ったか。無事でなによりじゃよ」

「なんもねーよ。ちょっと遊んできただけだ」

「ほう…」

ジジイの目が見開き、秋次を見る。

「可愛い女子を助けたんじゃろ?知っとるぞ」

「は?なんでそれを」

「はっはっ。わしに知らないことなどないぞ。あのクソガキどもは片付けおいたからな。もう心配いらんじゃろて」

「ジジイ、片付けたってまさかとは思うが…」

「死んではおらんから安心せい。」


いや、安心できないんですが…と内心思いながら篠原組は相変わらず情報収集力が高いと驚いた。

「組の人間でもいたのかよ?」

「まあ、とりあえず着替えてこい。それから飯でも食いながら話そうぞ」

そう言うとジジイは部屋に戻って行った。


「ふぅ。わかった。」

確かに服は汚れているし、話も気になったので秋次は急いで部屋に向かい、着替えに向かった。


「それで、話ってなんだよ?」

「ふむ。良かろう。」

ジジイは手を叩き、大島さんを呼んだ。

「はい。こちらに」

そう言うと大島さんは写真を出して並べた。

「な、なんだよ、これ」


秋次は秋次を見て驚いた。写真には、結城や確か西村、うちの学校の女子生徒だけではなく他校の女子生徒の写真だった。

「しかも、これって盗撮じゃ」

どの写真もカメラに気づいていない様子だ。

「はい。秋次さん。それに世間では美人と言われる子たちでして」

「ほっほ。わしはもう少し肉づきがよい方がいいのじゃがな」

「ジジイの趣味なんか知らん」


とはいえ、これだけの人数からすると個人的な犯行ではないだろう。

「秋次さん。盗撮くらいなら問題ありません。問題はこれらが強姦目的の連中に流れている事です。」

「おい、じゃぁ今日のも」

今日の出来事も偶然ではなく、そういう目的で狙われていた事になるではないか。


「そうです、秋次さん。今日のようなちょっと不良を気取った連中がほとんどなんですが、一部の連中は行為を撮影して脅迫やら違法AVとして荒稼ぎしているようです。」

「だからの、組の連中で巡回しておったんじゃよ。警察どもは事件がないと動かないからの。阻止できるものは阻止して情報を流しておるんじゃよ。」

「なるほど。」

「まあ、秋次がどうしたいかは秋次に任せる。助けた女子を守りたいのであれば影に護衛もつけよう。」

「わーったよ。とりあえず注意はしとく。だから護衛は要らないよ。」

「ほほ、珍しいの」

「うるせえよ」


さっさと部屋に戻りベッドに大の字で横になる。

ほらみろ、やっぱり関わるから面倒事に巻き込まれたじゃないか。

「はぁ…めんどくせぇ…だからって」

主犯がどこかにいて、やらせているのだろう。しかも、そいつは近くに居るはずだ。写真に写る生徒たちの制服から全て近隣の学校だと分かる。そして各校のかわいい、美人と評される子ばかりだ。それを知って狙って撮影しているのだから、学校関係者の可能性がある。


少なくとも俺が気にした奴が泣かないで済む程度には気にしておくとしよう。

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