第5話 ついつい
「頼むから真面目な話をしようぜ」
ヴィヴィは脱ぎ散らかした制服を着直すと、メリアに向き直った。
するとメリアは、くすくすと笑いつつも意外と素直に「ヴィヴィさんがおっしゃるのでしたら」と言って、近くの適当な席に着いた。
ただ……、ヴィヴィは眉間に皺を寄せて口を開いた。
「おい。服を着ろ」
「え?」
メリアは小さく声をあげた。
だがそんな疑問そうな声をあげても、実際メリアは未だ半裸の状態だった。
具体的に言えば、ワイシャツ一枚を着て、終わり。
スカートもなければ、ブラもショーツもない。
そのため、さっきから当然のように胸も下半身も、その朝日に照らされた白い肌が完全にさらけ出されていた。
「そんなんじゃ真面目な気分になれねぇ」
ヴィヴィは言うが、するとメリアはまたくすりと笑った。
ただ幸いにして、と言うべきか、これもメリアは「ヴィヴィさんがおっしゃるのでしたら」と言うことを聞いてくれた。
ただ……、ただ……、ヴィヴィは眉間に皺を寄せて口を開いた。
「おい――。服を、着ろ――」
「え?」
メリアは小さく声をあげ、首をから下を眺めると、
「ちゃんと着ていますよ?」
首を傾げて、そう言った。
しかしながら、メリアの今の装いは、ショーツを履き、シャツのボタンを二つだけかけて、あとはそのまま。
シャツの隙間からは胸の谷間や胸の先がチラチラと見え隠れしている。
中途半端に見えるだけに、さっきよりタチが悪くなっていた。
しかもメリアは、
「……装いは、これで充分だと思います。それとも、ヴィヴィさんは私の装いがこれだと集中できない理由が何かあるのですか?」
微笑んで、そう言った。
それに対してヴィヴィは眉間に皺を寄せ、眉間に手を当てた。
ただ……、その瞬間、メリアは目をキラリと光らせた。
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