【休息編】1ー1

あれから1週間経ち、レイナは身体中に湿布、包帯などして俺の家の中庭は広いからこれ以上鈍りたくない為、木刀を振り続ける。それを俺はただ見てるだけの毎日だ。


レイナ「100…!101…!」一生懸命振ってる


蓮「…無理するなよ、レイナ?」心配そうに見てる


レイナ「大丈夫!……痛…!」腹部を抑える


蓮「レイナ!」レイナに駆け寄る


レイナ「く…っ…」蓮から借りた服から血が滲み出す


蓮「…これ以上は辞めとけ。傷口が開く。」


レイナ「…けどまだ頑張りたい。」


蓮「馬鹿!なんでお前は無理するんだ!」怒鳴る


レイナ「…蓮?」ポカーンと口が開く


蓮「す、すまない…、怒鳴って。けど本当に無理して欲しくないんだ…。お願いだ」


レイナ「…うんわかったよ。」木刀から手を離す


蓮「……。」俯く


俺はただただレイナを見守るだけしかない。レイナにとって俺の事が邪魔しかないが…。俺にもなにか出来るはずだ

……そうだ。


蓮「…なぁ、レイナ」


レイナ「…なに?」


蓮「俺もなにかお前にしてあげたいんだ。なんでもする。言ってくれ」


レイナ「…ありがとう。そうだなぁ…。今にでも復帰出来るような手料理食べたいな」


蓮「…!!勿論だ!任せてくれ!」腕まくりをする


レイナ「ありがとう」微笑む


蓮「お、おう…!!」


レイナは今一度集中する。


レイナってそんな風に笑えるんだな…。

昨日といい、レイナは俺を信用してる…。て事だよな?

なんか…嬉しいな。


レイナと蓮は家中に入る


蓮「レイナはソファーに座って待っていてくれ。薬を持ってくるよ後、服も」新しい服をクローゼットから出す


レイナ「ありがとう、蓮」ソファーに座る


蓮は救急箱を持ってテーブルに傷口に塗るやつと包帯に心臓の進行を少しでも遅くさせる薬を置く。


蓮「…脱がすぞ?」レイナの前にしゃがむ


レイナ「…うん」


痛がらないように服を脱がして、古い包帯を外して傷口に薬を塗る


レイナ「痛…!!」


蓮「す、すまん…痛かったな。」後は包帯を丁寧に巻き終わり服を着せる


レイナ「……」少しぐったりする


蓮「…大丈夫か?」


レイナ「…うん。平気。薬を頂戴」


蓮「…ん」薬を2錠レイナに渡す


レイナ「ありがとう」飲み込む


蓮「さてっと…。ご飯作ろうかな」救急箱に薬品を戻し。立つ


レイナ「…ご飯!」目がキラキラ


蓮「あぁ。待っていてくれ」


レイナ「うん!」にへらっと笑う


キッチンに向かい冷蔵庫から材料を出す。


レイナはボーッと蓮を見てる


蓮は鼻歌しながらフライパンを振る


レイナ「…久しぶりにキッチンで誰かがご飯を作ってるの見た」


蓮「ん? あぁそうか。もうあれから数年は経ってるもんな」


レイナ「…うん。」


蓮「…ごめん。今でも辛いもんな」


レイナ「…い、いや大丈夫。蓮が気を遣わなくてもいいよ」


蓮「…そうか」


レイナ「…うん」


手料理が完成して大きな皿に盛る。箸と皿を2枚を出して、コップ1杯の水をお盆において運ぶ


レイナ「あっ、蓮ありがとう。言ったら私も運んだのに…。」


蓮「怪我人は大人しくしてな。こんなの余裕でからさ」テーブルに置いて蓮はレイナの分を皿に盛ってレイナの目の前に置く。


レイナ「お、美味しそ…。お肉も野菜も沢山…」喉を軽く鳴らす


蓮「ふふ、野菜炒め(肉は少し多めで野菜はたっぷり)は自信作なんだ」


レイナ「ねね、いただきますしよ!」手を合わす


蓮「あぁ、そうだな。では、いただきます!」手を合わす。


レイナ「いただきます!」


レイナはお箸にお皿に盛って。食べる


蓮「どうだ??」すこしドキドキしてる


レイナ「んまい…!」お皿をもってガツガツ食べる


蓮「ふふ、喜んでもらえてよかった。さぁどんどん食べてくれ。」自分の分もよそって食べる


レイナ「うんっ」


数分も経たず、完食する。


蓮「ご馳走様でした。あっという間だったなー。」


レイナ「な、なに?私が食いしん坊だとでも言いたそうだね。」ジト目


蓮「いや?そんなこと思ってないけど…。もしかしてレイナって食いしん坊だったりする?」クスクスと笑いながら食器同士を合わせ、お盆に乗せてシンクに持って帰る


レイナ「んなっ!私は食いしん坊なんかじゃない!」ぷいっとそっぽを向く


蓮「あはは、冗談だって。」


蓮は食器洗って。レイナは寝っ転がってボーッと天井を見る。


あぁ。もっともっと特訓頑張ってたらな。セトに勝てたかもしれないのに。悔しい…。早く治んないかな。すぐにも行きたいのに…。


レイナ「よし、十分休んだし中庭に行ってくるね」


蓮「もうちょっと休んだ方が…」


レイナ「ううん。もう大丈夫だから。」木刀もって中庭へ向かった。


蓮「…不安しかない。」


さっさと食器を洗って、蓮も中庭へ向かった


レイナは一生懸命に木刀を振り続ける。蓮は「…あんま無理すんなよ」とだけ声をかけて、レイナは頷いて振り続けた。

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