7章
オフィス
とある男性1人に用意されたオフィスにてガラス張りの壁から男性は都市を眺めていた。
広々として仕事で使用される物しかない殺風景な部屋にコンコンと音が入る。
「どうぞ」
今のノックは入室の予鈴であり,男性が許可を出すと「失礼します」と女性が入室する。
入室した女性はシワ一つない綺麗なスーツを着こなすキャリーウーマンで、男性に深々とお辞儀をすると、抱える1通の手紙を取り出す。
「古坂GM。……の御友人様よりお手紙が届いておりました」
女性は手紙を男性、基、古坂太陽に見せてそう告げた。
女性同様にスーツを着る太陽は女性に微笑を返し。
「ありがとう。わざわざ手紙の為に来て貰って悪いな。手紙は机の上に置いておいてくれ」
「分かりました」
女性は太陽の指示通りに持って来た手紙をオフィスの事務机に置く。
女性は手紙を置くと、置いた手紙をジーッと見て。
「毎年……いえ、半年周期で届きますね。古坂GMの大切なご友人様からですか?」
女性の問いに太陽は黄昏る様な表情で頷き。
「そうだな。切っても切っても、しぶとく丈夫に繋がる腐れ縁の友達だ」
太陽は置かれた手紙を拾うと、机からペーパーナイフを取り出し。
「それにしても、このネット社会のご時世に古典的な手紙を送るとはな。まあ、あいつらしいか」
嬉しそうに太陽は綺麗に封をされていた便箋から三つ折りで畳まれた手紙を2通取り出す……否、感触的に手紙とは違う紙質の3枚目を感じる。これは新聞のザラザラ感。
太陽はチラッと3枚目を見た直後、ふっと笑い。手紙の内容を見る。
「それにしても、あれからもう10年か……。あいつらは、元気にしているのかな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます