第21話 帰路
時間はあっという間に過ぎ去っていき、もう帰りの挨拶になっていた
「みなさん来週から期末テストですのでよく勉強をして頑張ってくださいね!」
『はーい』
「では、さようなら」
「真也!一緒に帰らない?」
「悪いな夏輝、用事があるから一緒には帰れねぇーな」
「むぅ、そっか...」
「夏輝さーん!」
「あっ!雫ちゃん」
「はい、あなたの大切な人ですよ!」
んー?なんかデジャブを感じたのは気のせいかな?
「そ、そんなのいいからどうしたの?」
「夏輝さんと一緒に帰ろうと思って」
「なるほどね...じゃあ、一緒に帰ろっか!」
「はい!」
「またね、真也」
「おう」
(夏輝さんと一緒に帰れる!幸せ)
◇◇◇
「ねぇ、雫ちゃん」
「なんですか?」
「雫ちゃんには、好きな人はいるの?」
「っ!い、いきなりどうしたんですか!?」
「いやぁ、少し気になったからね」
「もしかして、私が好きだからですか?」
「っ! ち、違うよ...ただ僕と一緒に帰るより好きな人と帰った方がいいんじゃないかなーって」
い、今の反応は本当に私のことが好きってこと! ど、どうしよう···そしたら
「あっ!もうあっという間に別れ道だね」
「ホントですね!」
「じゃあ、また明日ね」
「はい!また明日」
(ふふっ、私はこれから夏輝さんに仕掛けてる
盗聴器で夏輝さんを感じておくんですけどね)
◇◇◇
「はぁ、今日も疲れたな...もうこのまま···寝そう··だ···」
ヤバいヤバいよ!いきなり夏輝さんの盗聴器から夏輝さんの寝息が! はっ!直ぐにパソコンで録音しなければ
「お兄ちゃん!ただいまー」
「あれ?お兄ちゃんの声がしない?」
(はっ!もしかして、帰り道に変態の誰かに誘拐されたんじゃ···と、とりあえずお兄ちゃんの
部屋に行ってみよう)
「はぁーよかったー」
(か、可愛い!今日の1日の疲れも全部吹っ飛んじゃうよ!)
「あ··れ?そ、空?かえって··きてた···の?」
「ただいま、お兄ちゃん!」
「お···おかえり空」
「じゃあ、私は晩ご飯の用意をするからお兄ちゃんはまだ寝てていいよ」
「ありが··と···う」
「危なかった、あそこでお兄ちゃんを襲わなかった自分を褒めたい」
だって、お兄ちゃん無防備すぎるでしょ
「今日の晩ご飯はどうしようかなー?」
◇◇◇
「起きて!お兄ちゃん」
「あれ、空?どうしたの?」
「ごめんね、お兄ちゃん···実はもう朝なんだ」
「えっ!」
「昨日の夜に晩ご飯のメニューを考えていたらいつの間にか寝ちゃっててね、」
「そ、そっか」
「だから、今日はお弁当も作れてないんだ...」
「い、いいよ!それだけ空が疲れてたんだから、休めてよかったよ!」
「っ!ありがとう、お兄ちゃん!」
「て、もうこんな時間じゃん!早く行こうか、空」
「うん!お兄ちゃん」
_____________________
あとがき
今までの遅れを取り戻すために頑張るぞー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます