45.大違いですの!
一本腕の
ヒューネリクは、ルカが落ちて行った地上の
一つながりの
遠く、
王都ジンバフィルの北辺で、
ヒューネリクが、ふと、そちらを見た。
ヒューネリクの首が切断されて、頭部が、肩の上から落ちた。
ヒューネリクの
『君も……ここまで、来てくれるなんて。嬉しいよ、ザハール』
首のないヒューネリクの身体が、落ちるヒューネリクの首を、
ヒューネリクが首を、肩の上の断面に戻す。白い
変わらない
『君のことも、好きだったよ。違う出会い方をしていれば、とも考えたけれど……多分、同じように、仲良くなれただろうね。うん。ぼくたちは、きっと……どこか、似ていたような気がするから』
「こちらこそ、嬉しいですよ……ヒューネリク。友人として、その言葉だけでも、
「私の
「あなたは今、私と同じ体内です」
ザハールの、その声を最後に、ザハールとヒューネリクの生体時間が極限まで
ヒューネリクの瞳が、わずかに動いて上を見た。
王都の北辺から開いた青空が、もうここまで、
水晶の鈴の鳴るような、音が響いた。
羽根飾りを広げた
静止した
「証明したよ……ぼくたちは、あんたより強い」
ヒューネリクの、
レナートの言葉が、
「ぼくたちは、ぼくとアーリーヤは、生きていける。信じてくれて良い……神話は終わったよ、創造神」
ヒューネリクが、ゆっくりと
密林に、
********************
昼でも夜でもない、
アーリーヤは、難しい顔をしていた。
それが
「お兄さま……お兄さまは、わたくしを……」
ああ、いけないな。泣き出す直前だ。
ヒューネリクが苦笑した。アーリーヤは、そんなヒューネリクを、逃さなかった。
「わたくしを妹ではなく、本当は……妻となる婦女子として、愛してくださっていたのですか……?」
「さあ? わからないな。そんなこと、今さら、どっちでも良くない?」
「わたくしの
アーリーヤの
「じゃあ……そうだね。アーリーヤが、これから生きていくのに、気が楽な方で考えてよ。それ以上の本当なんて、
「……っ」
アーリーヤが、
難しい顔から、ひどい顔になった。
「お兄さま……わたくしも、なんと言いますか……
「うん。おもしろい考え方をするよね。好きだよ、そういうところ」
「それでも……愛するお兄さまで、婚約者で……結婚だけ飛び越して未亡人というのも、それはそれで、悲しいですの……っ!」
やっぱり泣き出した。大声で、アーリーヤが泣いた。
両手で顔をくしゃくしゃにぬぐって、小さな子供のように、アーリーヤが泣きじゃくった。
はぐらかして、抱き寄せた。
「アーリーヤ……世界は広いよ。君ならきっと、どこへでも行ける。王族とか責任とか、そんなものとは関係なく、幸せに生きて欲しい」
心から、そう
信じられる。
「やっと、言ってあげられた」
ヒューネリクが、アーリーヤを離した。
かけがえのないもののために、生きた。昼でも夜でもない、
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