30.どこがわかり難いんだ?
ルカが、恐らく不平不満と一緒に、
ヒューネリクとザハール、レナートたちも、めいめいに取り皿へ料理を
特に
大皿料理だし、気にしすぎだと、レナートは内心で肩をすくめた。ニジュカは元より、リヴィオを上回る勢いで
アーリーヤだけが、
「あのっ! お兄さま……っ!」
左隣の、ヒューネリクを見る。ヒューネリクに
「申しわけありません……なにがなんだか、わかりませんの……。お兄さまは……」
「大丈夫、順を追って話すよ。そのために、こうしてみんな、そろってもらったんだから。ああ、食べながらでかまわないからね」
ヒューネリクが自分の言葉を実践して、
「ぼくは、まあ……よっぽど嫌われない限り次の国王になる立場だったんだけどね。国王になってからどうするか、って話になると、とにかく父上と意見が合わなくてさ。だいぶ前から、こっそり外国の情報や書物を調べてたんだけど……いやあ、科学とか、たくさんの国同士の世界大戦とか、びっくりすることばかりだったよ」
食べる
「
「おまえのことなんか知るか! 俺たちは、白色人種の侵略者だ! 革命で頭を
「ルカ。ヴェルナスタと東フラガナの手前、ちゃんと本国の公式設定に
ザハールが
「いや、もう、面倒くさいからそれで良いけどさ……なあ?」
「わかりやすいね。全体としては、どんどんわかり
「そうか? 俺たち東フラガナだって、植民地から、独力で
ニジュカが割り込んで、
「利用したり、されたりの、場数を踏んでる。だから呼ばれもしないお
アーリーヤ、レナートとリヴィオ、ザハールとルカ、ついでにグリゼルダまでが、視線をヒューネリクに刺した。一呼吸を遅れて、ニジュカも乗る。
ヒューネリクはちょうど、淡水魚の
「あ、ぼくか。良い感じに戻ってきたね」
「ぼくとしては、エングロッザ王国の近代化をしたいんだよ。せっかく世界大戦が終わっていても、今のまま国際社会に顔を出したら、珍しい動物みたいなものだしさ。ただ、ルカが言った通り、手ぶらでお金ください知識ください技術くださいじゃ、そりゃ好き勝手されるよね?」
「重ねて言いますが、設定は違います」
「父上は
ヒューネリクが、得意げに両手を広げた。一人一人を、順に見る。
「父上を殺して、王位を
最後に目を合わせられたアーリーヤが、あんまりと言えばあんまりなヒューネリクの説明に、呆然とする。
「……お兄さま……その……」
しぼり出すような言葉に、不機嫌を隠さない声が
「ものすごい文脈の
アーリーヤとヒューネリクが、レナートを見た。レナートはアーリーヤの代わりに、
「父親と意見が合わなかったって? 少なくともこの
「じゃあ、こういうのはどうかな? ぼく的には
ヒューネリクが初めて、からかうように目を細めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます