27.困っておりますの
大蛇の頭部に、ルカとチェチーリヤ、リヴィオとグリゼルダ、アーリーヤが座っていた。ルカだけが前方を向いて、背中合わせのチェチーリヤから、他の面々は
そして砂鉄の翼がゆるやかに羽ばたく根元辺りで、レナート、ザハール、ニジュカが、やはり
離れているレナートの、難しい顔をちらりと見て、アーリーヤが
「
同じ
「一発、ひっぱたいたじゃんか。
「わたくしもそんな感じなのですが、レナートさまの雰囲気が、どうにも……」
「あいつ、面倒くさいところあるからなあ。放っといても、大丈夫だと思うけど」
リヴィオの
「リヴィオ。こと男女の間で、それはいけません。私なら許しませんよ」
「あいたたたたっ! やめて! お腹やめて! どうしろって言うのさ?」
「愛は無限ですが、無償ではないと教えたでしょう。泉に水をそそぐのです。愛を語り、相手を
金髪と純白の衣装を、神話の幻想みたいに
「今、それやるの……?
「上級者向けですわ……」
もののついでの八つ当たりで、リヴィオが視線を、ルカに流した。
「なあ、おっさん。大人だろ? なんか役に立つこと言えない?」
「おっさんじゃない!」
将校服の肩をいからせて、ルカが大人げなく
「でも、そうだな。俺だったら……」
「御主人さまは完璧です……
背中合わせに座った、ルカの
「ええ……それは、もう……問題はすべて、御主人さま以外の
「さらに上級者向けですわ……なんの参考にもなりませんの」
「俺もおっさんも、
「どういう意味です?」
「いや! ほら!
「……おまえらと一緒にされるのも、嫌な感じだな」
「え、えらそうに、なんだよ! それなら、なんか役に立つこと言えってば! おっさんなんだから、
「馬鹿! おまえ、そういうことを……っ! …………ッ!」
「御主人さま……ああ、私の……私だけの、御主人さま……」
それこそどこ吹く風で、グリゼルダとチェチーリヤが、アーリーヤに詰め寄った。
「まあ、あなたの実年齢を考えれば、
「しょ、将来的に、やぶさかではありませんが……もう少し、なんと言いますか、段階的な手段が欲しいですわ」
「では……
ひたすら難易度が上がり続ける戦術指導に、アーリーヤも追い込まれて、だんだん認識を上書きされる顔になった。
リヴィオとルカは、まだ解放されていなかった。
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前方を軽く見やって、ザハールが肩をすくめた。
「向こうは、仲良くしているようですね。レナートくんも、そう
「誤解があるね。これが正しい距離感だよ。アーリーヤは護衛対象で、ぼくは特務機関員だ」
レナートは、投げやりに
リヴィオたちと同じ
ザハールが、また笑う。
「アーリーヤ王女は、本当にお
「それで済ませるかな」
レナートの声が、
レナートがアーリーヤに出会い、ザハールに襲撃された時、アーリーヤの容姿は
レナートとリヴィオは十七歳だ。今のアーリーヤは、二十歳ほどの成人女性に変化して、
ザハールとの戦闘で、アーリーヤに
アーリーヤは、生きられたはずの約五年を
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