24.実績を評価してもらいたいですね
ほんのわずかの
二振りの
距離は十数歩もない。レナートは、今度はニジュカの、背中に回り込んだ。
ベルグは視線を動かさず、ニジュカと斬撃を交わしながら、レナートを認識した。認識しても、ニジュカを超えて、一足飛びにレナートを攻撃はできない。
レナートにしても、
「弾道を見切るなら……弾道そのものが
レナートは、
ニジュカとベルグの
ニジュカがベルグを押し始めた。
そう感じた直後に、ベルグが、
その右手の
レナートとベルグに、空間が通った。
レナートは片膝立ちで、
ベルグはニジュカを飛ばした
外しようのない至近距離で、一発だけを
「それだけだ……っ!」
弾道と斬撃、二つの死線が
レナートは、引き金をしぼった。そこに、ふらりと無造作に、影が割って入った。
白い上下を着た、
「無茶をしますね。まったく」
ザハールの
レナートはザハールの
押しやられた身体が、後方へ転倒を始める。弾道が大きく上へ外れるのを確認して、ザハールがベルグに向き合い、
ベルグの斬撃は、まだ途中の空間にある。ザハールの小剣が、圧縮時間の中で鋭い
小剣がベルグの首に到達する瞬間、だがベルグの眼光は、刃を見据えていた。
音も色もある通常の感覚時間に、レナートは背中から転がって、上空に
すぐ
「なるほど……電流の迎撃ですか。さすがに私も、光に近い伝達速度は、手に負えませんね」
ザハールの声は、素直に感心しているようだった。
すでに
「使用の
「次もあるのですか?」
ザハールの左手に、
「おい、若いの! 悪い! まだ生きてるかっ?」
横の茂みから、ニジュカが飛び出してきた。それと同時に、レナートが転がりながら
あちこちに気が
ザハールが、肩をすくめた。
「生きていたのも驚きですが、
苦笑するザハールを
ザハールとレナートを交互にながめたニジュカが、鼻を鳴らした。
「とりあえず、あんたは、どこの誰だ? うちの若いのが、助けられたっぽいが……」
「ロセリア
「聞いた限りじゃ、敵同士みたいなんだけどなあ」
「そこは、まず、実績を評価してもらいたいですね。私はあなたの
しゃあしゃあと言うザハールに、今度はニジュカが、苦笑して肩をすくめた。
「東フラガナ人民共和国、ニジュカ=シンガだ。ヴェルナスタ共和国とは同盟ってことで、エングロッザ王国の王女さまから
「では、私たちと同じですね。ロセリア連邦はエングロッザ王国の国王から依頼されて、やはり支援活動をしています」
「つまり、ちょっかい出し合って内乱になってる、ってことだな」
「誤解があります」
ザハールが、レナートに手を差しのべた。
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