22.余計なこと言わないの
圧縮空気の
その一点から鋼鉄の
ついに雷光をさばききって、真円に
着地と同時に、地面から
「なんだよ……? 場違いな姉ちゃんだなあ」
「メルセデス=ラ・レイナよ。初めまして、ミスタ・オチビ。元気なのは可愛いけど、ちょっと趣味じゃないわね」
リヴィオの言葉の通り、密林には場違いな格好の、場違いな美女だった。
足元だけは
「悪いな。お
「オズ、余計なこと言わないの」
「オズロデットだ、お
二人の調子に、グリゼルダが口をひん曲げる。
「なれなれしい連中ですね。リヴィオ、まともに相手をしてはいけませんよ」
「そう言うなよ。あんたとお
「だから、なおさら不愉快なのです」
「あ、痛たたた! 耳! 耳、引っぱらないで! 俺なにも考えてないよ! ホント、余計なこと言うなよ、おまえ!」
リヴィオとグリゼルダの調子に、今度はオズロデットが肩をすくめた。少し八つ当たり気味に、リヴィオがオズロデットとメルセデスを、順ににらむ。
「あんたら、アルメキアとフェルネラントの寄り合いなんだろ……? なにがしたくて、フラガナなんかをうろついてるんだよ?」
「あら。お客さんのお客さんだったのね」
リヴィオの口にした、フェルネラントの国名で、メルセデスが
「でも、それだけじゃあ、目的まで教える義理はないと思うわ」
「こっちもヴェルナスタと、エングロッザ、東フラガナの寄せ集めなんだよ。一応、聞くけど、話し合いができたりしないかな?」
「ロセリア相手の大同盟ね。魅力的なお話だけど……」
メルセデスの
「
「こっちの一人、いや、二人か? そっちのベルグって人と、知り合いらしいんだけど」
「その割には、向こうも派手に騒いでるみたいだわ」
「だよなあ」
リヴィオが
「とりあえず、この場は、殴り合うしかないってことか」
「それでこそあなたです、リヴィオ」
「俺の認識って」
背中に
鋼鉄の
わずかに早く、オズロデットが左脚を
十数歩の間合いを、ちかり、と細い
鋼鉄の左腕が、雷撃を受け切れず、
グリゼルダの白い衣装が輝き広がって、かろうじてリヴィオを守っていた。
「くそ……っ! こいつは……っ!」
「
リヴィオもグリゼルダも、
メルセデスの
「俺たち、相性は良いみたいだなあ、親友!」
オズロデットが
ちかり、ちかりと続いた
左腕の再構築が間に合わない。飛び
「
「わかった!」
大規模な
メルセデスが銀の
「まず……っ!」
「良い
リヴィオの目を見て笑うように、オズロデットが
右脚を踏み出して地を
散る。
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