21.極端かなあ
炸裂の時間も規模も一定ではなく、たまに不発して
「お、おのれッ!
質量の小さい弾頭が
目の前で
「リヴィオ、これ、ぼくが
小銃と拳銃を撃ち合っている状況で、まだ
「おお、なんだかすごいなあ」
「レナートさま、すこぶる良いお仕事ですわ!」
ニジュカとアーリーヤが、両耳に指をつっこみながら、茂みの間を近寄ってくる。
飛んでくる小銃弾は、めっぽう減っている。他人からすれば、まあ、レナート一人で敵の大集団を釘づけにしているように見えるだろう。
「ニジュカさん、アーリーヤ、今のうちに……」
言っても聞こえないよな、と思いながら、レナートはせめて口の動きで指示を伝えようとした。
その肩を、近寄りざまに、ニジュカが
腕に、二振りの
火花と打撃音が散って、二撃、三撃と、鋼鉄の
レナートは
ニジュカが、笑うように歯をむきながら、
敵の男は、長大な鋼鉄の棒を使っていた。
黒髪を頭頂部で
「やっぱり、あんたで合ってたんだな! ベルグの
「
「
「妻にも言われる」
淡々と言葉を返しながら、ベルグの
「交流がおろそかにならないよう、努力しよう」
「してくれよ! たった今ッ!」
「
「そんなんだから、言われんだよッ!」
ニジュカの
もう一振りを背中に回して、身体を沈めて、ニジュカが
ようやく二人が、少し離れて見合うまで、レナートは呼吸を忘れていた。助勢どころではない。アーリーヤを抱いて伏せているのが、精一杯だった。
そのアーリーヤも、さすがに絶句して、二人の死闘に目を見開いていた。レナートに少し遅れて、大きく息を吸い込んだ。
「ベ……ベルグさまっ! あの、
これまでの状況で、
「アーリーヤ王女、なぜここに」
「話せば、その、長いことながら……」
「ヴェルナスタ
アーリーヤの長い話とやらを
「アーリーヤ王女は現在、ヴェルナスタ共和国が亡命を受け入れています。この場は……」
「文脈が
ベルグが、視線をレナートに移した。
「現在地はエングロッザ王国領だ。どんな国家機関であれ、相互条約で定めた公館または
「それは、まあ、そうなんですが……」
「自分の任務の第一段階は、エングロッザ王国から最低一人、王族の国外退去を支援することだった」
「は、はい。その節は、わたくしとしましても、大変お世話に……」
レナートの隣に立ち上がったアーリーヤを、ベルグは、今度は見もしなかった。
「どうやら、達成できていないようだ」
「はぁっ? いえ、その! レナートさまもニジュカさまも、今はわたくしのお願いで、
「任務に、アーリーヤ王女の意向は含まれていない」
「ちょ……っ?」
ベルグが腰から、右手に
無造作だが
「東フラガナ人民共和国ニジュカ=シンガ、ヴェルナスタ共和国レナート=フォスカリ、任務の
「あのっ! わたくしの話を、もう少し柔軟に……っ!」
「国外退去支援のため、アーリーヤ王女を奪還させてもらう。
「わ……わからずやですわっっ!!」
アーリーヤの絶叫に、ニジュカの
いつの間にか、ニジュカは抜け目なく
レナートはまた、アーリーヤを抱きかかえて、飛び離れる
「国際交流って、難しいね……!」
「ものすごい文脈の
「あれはちょっと、極端かなあ」
レナートは投げやりに言って、アーリーヤと二人、茂みの
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