19.ちょいと良くない感じもある
朝から昼までの
その
時折、地層の裂け目から顔を見せる
今は、
「見ろ! こんなに太った
やや離れた茂みをかき分けて、ニジュカが、得意満面の大声を上げた。
レナートたちの近くに置いた
「良い仕事ですわ、ニジュカさま! その種類は、
「まかせろ! そこらに生えてた
「
盛り上がるアーリーヤとニジュカを横目に、矢傷と口から血を
「うん……確かに、
「そこに
二人の様子に、ニジュカが苦笑する。
そして、腰の後ろで左右に交差させていた
「
ニジュカの
今のように、軽く
ニジュカが鼻歌混じりで、
「あんまり大物はいない感じだが、なんて言うか……
「話の開始時点から、だいぶ死に
レナートは肩をすくめて、ニジュカの正しさを認めた。
「まあ、
「おい! おまえもだろ!」
「それがさ。ぼく、ちゃんとした
「くっそ! 覚えてろよ、レナート!」
「レナートさまも御遠慮なさらず! ほっぺたなんかも、丸かじりでいけますの!」
アーリーヤが純粋な
むしろアーリーヤ自身に似ているような気もしたが、口をすべらさないだけの
********************
風に
密林そのものが巨大な生き物で、ふところに紛れ込んだ人間たちを、興味深そうに観察している。レナートは、そんな風に思えた。
「連中との距離は、かなり
ニジュカが言いながら、
「ただ、ちょいと良くない感じもある。連中、けっこうな人数だが、移動速度から見て
「軍隊か、それに近い集団ってことか」
リヴィオが、
「フェルネラントって言ったら確か、東の方の島国だよな? こんな地の果てまで、呼ばれもしないのに押しかけてきて、変な連中だよなあ」
「ぼくたちも
「よくわかりませんが、とりあえず、このお茶は
「そう言うなって。せっかく
「さっき、
「
ニジュカの説得力のある言葉に、リヴィオもレナートも、アーリーヤも
「まあ、今から考えても仕方ねえが……向こうが
「立て直しじゃなくて、元の計画に戻るだけですよ。変な邪魔が入らないうちに、まっすぐ、エングロッザ王国のジンバフィルに向かう。それで良いね、アーリーヤ?」
「はい。ベルグさまも、御健在であれば、いずれお礼を言う機会くらいありますの。レナートさまに従いますわ……ぁふ」
アーリーヤが
レナートが、
いろいろな要素を考え合わせても、夜の密林で眠る態勢は、これが最善に近い。男三人で順に見張りを交代、アーリーヤを確実に保護して、レナートとアーリーヤの
合理的な結論だ。
それでも、リヴィオとニジュカがあからさまな含み笑いで、そっぽを向いて眠る格好になる。
レナートは、首筋にかかる寝息と、自分とは違う汗の匂い、アーリーヤ本人の精神的な年齢からかけ離れたやわらかい感触を、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます