18.それはそれで良いけどさ
平野部の森は、
今、レナートとアーリーヤ、リヴィオ、ニジュカの四人が歩いているのは
木々はそれなりに密生して、まばらな
一歩ずつ進むごと、緊張していくようなアーリーヤを、レナートが横目で見た。
アーリーヤは二十歳ほどの外見で、大きく丸い目にふっくらとした唇、
作業着のような
四人は、港町インパネイラから
計画の
あちこちに残る赤黒い
「レナートさま……」
「いいよ。アーリーヤは、ここにいて。ぼくたちが調べてくる」
前に出ようとしたレナートの肩を、リヴィオが抑えた。
「いや、おまえもいいって。適当にそこいら見てくるから、待ってろよ」
「そうだなあ。ま、大丈夫だとは思うけどな」
のんきな声で、ニジュカがこぼす。
「
「動物みたいだな、あんた」
「鋭いって言ってくれよ、若いの」
リヴィオとニジュカが、軽口を交わしながら、破壊の
かなりの範囲で破壊、いや、戦闘の
「なにかわかる? グリゼルダ」
リヴィオの横に、長い金髪と
「さて。
「自分で言っておいてなんだが、奇妙だな。
少し離れた位置で、ニジュカが顔を上げていた。
グリゼルダが見えているのか、いないのか、会話に割り込んだのか、そうでないのか、どうにもつかみどころがない。レナートもリヴィオも、目を見合わせて、気にしないことにした。
「戦闘は
グリゼルダが、ニジュカに当てこする。ニジュカは変わらず、陽気な
「
「そ、そんなことができますの……?」
アーリーヤ、レナートとリヴィオ、ついでにグリゼルダも、ニジュカを見た。
「体重が地面にのった
「まあ、なんとか、な」
ニジュカの返しに、リヴィオが
「とりあえず、俺の知ってるベルグなら、フラガナも何度かうろちょろしてるフェルネラントの同業者だ。そう簡単にくたばったりもしないだろ。今回の相手はロセリアだし、手を組める可能性もある。いっちょ、行ってみるか」
「ぜひ、お願いしますの! わたくし、ベルグさまには大変お世話になっておりながら、まだなんのお礼も……」
身を乗り出したアーリーヤが、ふと、横のレナートを見て姿勢を正す。
「いえ、その。ベルグさまは
「うん。まあ、それはそれで良いけどさ」
リヴィオより
「方角があんまり離れるなら、後回しにしよう。ここで時間は、かけられない」
「……ああ。そうだな」
リヴィオとグリゼルダが、
ニジュカの希望的観測はともかく、別口の
「リヴィオ。私は姿を消しますが、
グリゼルダが指示を残して消えた。リヴィオからグリゼルダへの返事は、必要がない。
「それじゃあ、ニジュカさん、おまかせします。どこに向かえば良いですか?」
レナートに聞かれて、ニジュカがしばらく、あっちこっちに顔をめぐらせた。
「うん……こっちだな、多分。もうしばらく先を調べてみないと、確実なことは言えないが、まあ、良かったな。東回りは、同じ考えみたいだぞ」
ニジュカが指で示した茂みは、言われてみれば確かに、
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